今回は、Wordの封筒機能を使って宛名を印刷する手順と、印刷ミスを減らすためのコツを紹介します。
この記事は、Windows版のWord(Microsoft 365などのデスクトップアプリ)を前提にしています。Mac版のWordにも封筒の作成機能はありますが、メニュー構成や画面が異なるため、ここでは扱いません。また、手元のプリンターによって給紙の向きや対応できる封筒サイズが変わる点も押さえておきましょう。
Wordの封筒機能でできること
Wordには、1枚の封筒に宛名と差出人住所を配置して印刷するための専用の画面が用意されています。ふだん文書を作るときのように用紙サイズや余白を自分で計算しなくても、封筒の種類を選んで住所を入力するだけで、印刷用のレイアウトが整います。
封筒機能の主なポイントは次のとおりです。
- 宛先と差出人住所を別々の欄に入力でき、それぞれの位置はWordが自動で配置する
- 封筒のサイズを一覧から選べるほか、一覧にない場合は幅と高さを指定したカスタムサイズも使える
- プリンターへの封筒の置き方(給紙方法)を確認・調整できる
- 作成した封筒を文書に追加して保存し、あとから再利用できる
なお、この記事で扱うのは1枚ずつ作る封筒です。名簿から何十枚もの宛名をまとめて印刷したい場合は、差し込み印刷と組み合わせる方法が別に用意されています。
手順1:差出人住所をあらかじめ登録しておく
自分の会社名や住所を毎回入力するのは手間がかかります。Wordには差出人住所を記憶しておく設定があるので、最初に登録しておくと便利です。
- Wordを起動し、[ファイル]タブを選びます。
- [オプション]を開き、[詳細設定]を選びます。
- 画面を下へスクロールし、[全般]の[住所]ボックスに差出人住所を入力します。
- [OK]をクリックして閉じます。
ここに入力した住所は、封筒だけでなくラベルなど差出人住所を挿入する場面でも使われます。部署名や電話番号まで含めるかどうかは、よく使う封筒に合わせて決めておくと、あとで修正する回数が減ります。
手順2:本番の前に印刷オプションを確認する
封筒印刷で多い失敗は、宛名が逆さまになる、裏面に印刷されてしまう、位置がずれるといったものです。原因の多くは、プリンターへの封筒の置き方とWordの設定が一致していないことにあります。まとめて印刷する前に、次の手順で設定を確かめておきましょう。
封筒のサイズを選ぶ
- [差し込み文書]タブの[作成]グループにある[封筒]を選びます。
- [オプション]を選び、[封筒オプション]タブを開きます。
- [封筒のサイズ]ボックスで、使う封筒に合うものを選びます。合うものがなければ、一覧の一番下にある[カスタムサイズ]を選び、幅と高さを入力します。
封筒の寸法は、パッケージに記載されている数値を確認してから入力すると確実です。
給紙方法を確認する
同じダイアログの[印刷オプション]タブには、封筒をプリンターにどう置くかが図で表示されます。この内容はプリンタードライバーの情報をもとにしています。
- 封筒を置く位置(右・中央・左)
- 長い辺と短い辺のどちらから給紙するか
- 印刷面を上向きにするか下向きにするか
宛名が印刷されるのは封筒の表側です。短い辺から給紙する場合は、文字が逆さまにならないよう封筒の向きを回転させる必要があることもあります。図と実際のトレイを見比べながら、表裏と上下を確認しておくのがコツです。
試し刷りで位置を確かめる
設定ができたら、[宛先]ボックスに仮の文字を入れて1枚だけ印刷してみます。思った位置に印刷されなかった場合は、次のような対応を試します。
- プリンターの説明書で、封筒の推奨セット方法を確認する
- プリンタードライバーを更新する
- [印刷オプション]タブに戻って設定を調整し、もう一度印刷する
うまくいく組み合わせが見つかるまで、この確認を繰り返します。大切な封筒を使う前に、同じサイズの予備の封筒や、封筒と同じ大きさに切った紙で試すと、無駄を抑えられます。
手順3:宛名を入力して封筒を作成する
準備が整ったら、実際の宛名を入力します。
- [差し込み文書]タブの[作成]グループで[封筒]を選びます。
- [宛先]ボックスに、送り先の住所と氏名を入力します。
- 文字の書体や大きさを変えたい場合は、文字を選択して右クリックし、[フォント]を選んで設定します。
- [差出人住所]ボックスには、手順1で登録した住所が表示されます。必要に応じて書き換えます。
パソコンに電子アドレス帳が用意されている場合は、[アドレスの挿入]から住所を呼び出すこともできます。
差出人住所を印刷しないときの設定
差出人の住所が印刷済みの社用封筒を使う場合など、差出人を印刷したくない場面もあります。そのときは[差出人住所を印刷しない]のチェックボックスをオンにします。登録した住所は残ったままなので、次回以降もそのまま使えます。
手順4:すぐに印刷するか、文書に追加して保存するか
封筒の内容ができあがったら、使い方に合わせて次のどちらかを選びます。
1回だけ使う場合
[印刷オプション]タブで確認した向きのとおりに封筒をプリンターにセットし、[印刷]を選びます。この方法では封筒の設定は文書として残りません。
くり返し使う場合
同じ相手に何度も送るなら、[文書に追加]を選んでおくと便利です。Wordは封筒を現在の文書の1ページ目として追加します。そのあと[ファイル]タブから[名前を付けて保存]を選んで保存すれば、次回はファイルを開いて印刷するだけで済みます。
さらに、封筒の後ろのページに送付状や案内文を入力しておくと、封筒と同封する文書をひとつのファイルで管理できます。定期的に書類を送る取引先ごとにファイルを作っておくと、毎回探す手間が省けます。
封筒印刷をスムーズにするためのコツ
最後に、作業を楽にするための工夫をまとめます。
- 差出人住所は最初に登録しておき、封筒ごとに入力し直さない
- よく使う封筒サイズを決めておき、カスタムサイズの寸法はメモして残す
- プリンターを変えたときは、給紙方法を改めて確認する
- 宛名の書体を変えるときは、読みやすさを優先して太すぎない書体を選ぶ
- 同じ宛先に何度も送るなら、[文書に追加]で封筒入りのファイルとして保存する
- 大量に印刷する場合は、1枚ずつの封筒機能ではなく差し込み印刷を検討する
まとめ
Wordの封筒機能を使うと、宛名と差出人住所を入力するだけで印刷用のレイアウトが整います。最初に[オプション]の[詳細設定]で差出人住所を登録し、[差し込み文書]タブの[封筒]から封筒のサイズと給紙方法を確認しておけば、印刷の失敗を減らせます。
試し刷りで向きと位置を確かめてから本番の封筒に印刷すること、くり返し使う封筒は[文書に追加]で保存しておくことが、封筒印刷を手早く進めるポイントです。プリンターごとに設定のくせがあるので、うまくいった設定を記録しておくと次回の作業が楽になります。