今回は、Excelで「売上金額」と「利益率」のような、単位や桁数が全く異なる2つのデータを1つのグラフにまとめて見やすく表示する「2軸グラフ(複合グラフ)」の作り方について紹介します。
単位が違うデータを1つのグラフにする難しさ
例えば、1年間の「売上金額(例:500万円)」と「利益率(例:15%)」の推移を比較して分析したい時、これを通常の「縦棒グラフ」でまとめて作成しようとすると、問題が発生します。
5,000,000という巨大な数字と、0.15(15%)という非常に小さな数字が同じ縦軸(左側のメモリ)で評価されてしまうため、利益率のグラフは底の方にへばりついてしまい、まったく見えなくなってしまいます。
このような場合、左側の軸を「金額用」、右側の軸を「パーセント用」として2つの目盛り(軸)を持たせ、さらに棒グラフと折れ線グラフを組み合わせる「複合グラフ」を作成するのが正解です。
複合グラフ(2軸グラフ)の簡単な作成手順
最近のExcelでは、この複雑な複合グラフを非常に簡単なステップで作成できる「おすすめグラフ」の機能が備わっています。
ステップ1:データを選択して複合グラフを挿入する
まずは、グラフの元になるデータを選択します。
- 「月」「売上金額」「利益率」が入力されている表全体をマウスでドラッグして選択します。
- リボンの「挿入」タブを開きます。
- 「グラフ」グループの中にある「おすすめグラフ」ボタンをクリックします。(または「複合グラフの挿入」アイコンを直接クリックします)
- 「すべてのグラフ」タブを開き、左側の一覧から一番下にある「複合」を選択します。
ステップ2:グラフの種類と「第2軸」を設定する
複合グラフの設定画面では、系列(データの種類)ごとに「どのグラフの種類にするか」と「どちらの軸を使うか」を個別に設定できます。
- 画面下部に、選択したデータ(「売上金額」と「利益率」)がリスト表示されています。
- 「売上金額」のグラフの種類を「集合縦棒」に設定します。
- 「利益率」のグラフの種類を「マーカー付き折れ線」に設定します。
- ここが最も重要です。「利益率」の右側にある「第2軸」というチェックボックスにチェックを入れます。
- プレビュー画面で、左の軸が金額、右の軸がパーセントになり、棒と折れ線が綺麗に重なっていることを確認し、「OK」をクリックします。
これで、単位の違う2つのデータが1つのグラフの中に美しく共存する「2軸グラフ」が完成します。
2軸グラフを見やすく整えるコツ
グラフが作成できた後、さらに一工夫加えることで、資料としての説得力と見やすさが大きく向上します。
左右の軸の「最大値」と「最小値」を調整する
Excelが自動的に設定した軸の目盛り(最大値や最小値)のままだと、折れ線グラフと棒グラフが重なりすぎて見づらくなることがあります。
- 右側の「第2軸(パーセントの数字)」をダブルクリックします。
- 画面の右側に「軸の書式設定」作業ウィンドウが開きます。
- 「軸のオプション(棒グラフのアイコン)」を選択します。
- 「境界値」の「最大値」を、現在の数値よりも少し大きな値(例えば15%までしかないなら、最大値を0.3(30%)にするなど)に変更します。
これにより、折れ線グラフの位置が全体的に上に(または下に)移動し、背後にある棒グラフとの重なりを避けることができます。左側の「第1軸(金額)」の最大値も同様に調整して、見栄えの良い空間(余白)を作ることがプロのテクニックです。
軸ラベル(単位)を表示して誤解を防ぐ
左右に数字が並んでいると、「どちらが何の数字なのか」が初めて見る人には分かりにくくなります。これを防ぐために、それぞれの軸に「(万円)」「(%)」といった単位(軸ラベル)を明記することが親切です。
グラフを選択した状態で、右上に表示される「+(グラフ要素)」ボタンをクリックし、「軸ラベル」にチェックを入れることで、文字を入力するテキストボックスを追加できます。
まとめ
Excelの複合グラフ(2軸グラフ)機能を使えば、売上と利益率、気温と降水量、アクセス数とコンバージョン率など、単位やスケールが全く異なる2つの指標の「相関関係」を1つのグラフで分かりやすく表現できます。作成時のポイントは、「折れ線グラフ」と「第2軸のチェック」をセットで設定することです。分析資料やレポートの質を一段引き上げるために、ぜひこのグラフの作り方をマスターしておきましょう。