今回は、PowerPointに挿入した動画ファイルから、プレゼンに不要な冒頭の無音部分や終わりの余分なシーンをカットする「ビデオのトリミング」機能について紹介します。
PowerPoint内で動画を編集するメリット
スマートフォンやビデオカメラで撮影した動画、あるいは画面録画機能で作成したマニュアル動画をスライドに挿入する際、「録画ボタンを押してからの数秒間」や「カメラを止める瞬間のブレ」など、プレゼンには見せたくない不要なシーンが含まれていることがよくあります。
これを修正するために、わざわざ専用の動画編集ソフト(Premiere
ProやiMovieなど)を立ち上げてカット編集を行い、別ファイルとして保存し直すのは非常に手間がかかります。
PowerPointには、スライドに挿入した動画の「開始位置」と「終了位置」を指定して、必要な部分だけを再生させる簡易的なトリミング(切り出し)機能が標準で備わっています。これを使えば、PowerPointの画面から離れることなく、数秒で動画を最適な長さに調整することができます。
ビデオのトリミングを行う手順
トリミングの操作は非常に直感的で、マウスのドラッグだけで簡単に行えます。
トリミング画面を開く
- スライドに挿入されている動画をクリックして選択します。
- リボンに「ビデオ形式」と「再生」という2つのタブが現れるので、右側の「再生」タブを開きます。
- 「編集」グループの中にある「ビデオのトリミング」ボタンをクリックします。
- 「ビデオのトリミング」専用のダイアログボックスが画面中央に表示されます。
緑と赤のマーカーで範囲を指定する
ダイアログボックスの下部に、動画のタイムライン(時間軸)とシークバーが表示されます。この両端にある色付きのマーカーを動かして、必要な範囲を決めます。
- 緑色のマーカー(開始位置):
タイムラインの左端にある緑色の縦線をマウスでクリックし、右に向かってドラッグします。動画が始まってほしい「本当の開始タイミング」の場所で離します。 - 赤色のマーカー(終了位置):
タイムラインの右端にある赤色の縦線を左に向かってドラッグし、動画を終わらせたいタイミングの場所で離します。
マーカーを動かしている間、上のプレビュー画面にはその時点の映像が表示されるため、「どこで切るか」を映像を見ながら正確に判断することができます。
微調整と確定
マウスのドラッグではコンマ数秒の細かい調整が難しい場合は、マーカーの下にある「開始時刻」「終了時刻」のボックスに、直接数字を入力するか、上下の小さな矢印(スピンボタン)をクリックして微調整します。
再生ボタン(▶)を押して、緑のマーカーから赤のマーカーまでの間が正しく再生されるか確認し、問題なければ「OK」をクリックします。
これで、スライド上の動画は設定した範囲だけが再生されるようになります。
トリミング後のファイルサイズに関する注意点
PowerPointのトリミング機能は非常に便利ですが、「ファイルサイズ(容量)」の扱いについて重要な注意点があります。
トリミングしても元データは消えていない
「ビデオのトリミング」機能で前後の映像をカットしても、PowerPoint上では「指定した範囲だけを再生している」だけであり、切り捨てたはずの余分なデータ自体はファイル内に隠れた状態で残っています。そのため、動画の長さを半分にしても、PowerPointファイル(.pptx)の容量は全く軽くなりません。
また、後から「やっぱりもう少し前から再生したい」と思った時には、再度トリミング画面を開いて緑のマーカーを左に戻せば、何度でもやり直しができるというメリットがあります。
完全に削除してファイルサイズを軽くする方法
完成した資料をメールで送る際など、ファイルサイズを極力軽くしたい(トリミングで削った部分のデータを完全に捨てたい)場合は、メディアの圧縮機能を使います。
- 「ファイル」タブを開き、左側のメニューから「情報」を選択します。
- 「メディアの圧縮」ボタンをクリックし、「標準品質」などを選びます。
これを実行すると、トリミングで除外された部分の動画データが完全に削除され、ファイルサイズが劇的に小さくなります。(ただし、後からトリミングのやり直しはできなくなるため、必ず最終確認を終えてから実行してください)
まとめ
PowerPointの「ビデオのトリミング」機能を使えば、専用ソフト不要で、動画の不要な部分をサクッとカットしてテンポの良いプレゼン資料を作ることができます。緑と赤のマーカーを動かすだけの直感的な操作で完結するため、動画を活用する際には必ず知っておきたいテクニックです。ファイルサイズの特性(見た目だけカットされている状態)も理解し、メディアの圧縮と組み合わせてスマートなファイル管理を行いましょう。