今回は、Excelのファイル内に増えすぎたシートを整理し、必要な情報だけを見やすく表示する「シートの非表示」機能について紹介します。
増え続けるシートと探す手間の悩み
1つのExcelファイル(ブック)の中で、「1月売上」「2月売上」と月ごとにシートを追加したり、元データ、集計用、グラフ表示用などと役割ごとにシートを分けたりして管理していると、あっという間に画面下部のシート見出し(タブ)が右端まで埋め尽くされてしまいます。
シートの数が多くなりすぎると、目的のシートを探すために見出しを横へ何度もスクロールしなければならず、作業のたびに小さな時間が奪われます。また、そのファイルを他の人に共有した場合、どのシートから見ればよいのか迷わせてしまったり、見せたくない計算用の裏側(マスターデータや設定値など)のシートまで丸見えになったりするという課題も発生します。
不要なシートは削除してしまえばすっきりしますが、他のシートの数式から参照されている計算用のシートなどを安易に削除すると、エラー(#REF!など)が起きてファイル全体が壊れてしまう危険があります。「削除はできないけれど、普段は見えないように隠しておきたい」という場面で活躍するのが、シートの非表示機能です。
シートを非表示にする基本的な手順
シートの非表示化は、数回のクリックだけで簡単に設定できます。
- Excelの画面下部にある、隠したいシートの見出し(タブ)を右クリックします。
- 表示されるメニューの中から、非表示を選択します。
これだけで、選択したシートの見出しが画面からスッと消えて見えなくなります。あくまで「見えなくなった」だけであり、データそのものが削除されたわけではありません。そのため、他のシートで非表示にしたシートのセルを計算式(VLOOKUP関数など)で参照している場合でも、エラーになることはなく、裏側で正しく計算が実行され続けます。
複数のシートをまとめて非表示にする
隠したいシートがたくさんある場合は、1つずつ右クリックするのではなく、まとめて選択してから非表示にすると効率的です。
- 連続して並んでいる複数のシートを選択する場合:最初のシート見出しをクリックし、キーボードのShiftキーを押しながら、最後のシート見出しをクリックします。
- 離れた場所にある複数のシートを選択する場合:キーボードのCtrlキーを押しながら、隠したいシート見出しを一つずつ順番にクリックしていきます。
- 複数選択された状態で、どれか1つのシート見出しの上で右クリックし、非表示を選択します。
これで、選択したすべてのシートが一括で隠れ、現在作業に必要なシートだけがスッキリと並んだ状態になります。
非表示にしたシートを再表示する手順
一度隠したシートのデータを確認したり、設定値を書き換えたりする必要が出てきた場合は、いつでも元の状態に戻す(再表示する)ことができます。
- 画面下部に見えている、どのシート見出しの上でも構わないので右クリックします。
- メニューの中から、再表示を選択します。(※非表示になっているシートが1つもない場合は、このメニューはグレーアウトして押せません)
- 「再表示」ダイアログボックスが開き、現在隠されているシートの名前が一覧で表示されます。
- 元に戻したいシートの名前をクリックして選択し、OKをクリックします。
これで、指定したシートが再び画面下部のタブに現れます。なお、複数のシートを非表示にしている場合でも、再表示は1つずつ選んで戻す仕様になっています。
より安全にシートを隠すための工夫
シートの非表示機能はとても手軽で便利ですが、ファイルを共有された相手も同じ手順(右クリックから再表示)で簡単に隠されたシートを見ることができてしまいます。「数式やマスターデータが入っている重要なシートを、他の人に誤って書き換えられたくない」といった場合には、少し強力な保護をかける工夫が必要です。
ブックの保護機能で再表示を禁止する
シートを非表示にした状態で「ブックの保護」という機能を使うと、パスワードを知らない人はシートの再表示(および新しいシートの追加や削除など)ができなくなります。
- 隠したいシートを右クリックから非表示にします。
- リボンメニューから校閲タブを選択します。
- 保護グループの中にあるブックの保護をクリックします。
- 「構成とウィンドウの保護」ダイアログボックスが表示されるので、「構成」にチェックが入っていることを確認します。
- 必要に応じて、任意のパスワードを入力してOKをクリックします。(確認のためもう一度入力が求められます)
この設定を行うと、シート見出しを右クリックしても「非表示」や「再表示」のメニューがグレーアウトして選択できなくなります。計算用のシートを誤操作から完全に守りつつ、入力用のシートだけを安全に操作してもらう環境を作ることができます。
保護を解除したい場合は、再び校閲タブからブックの保護をクリックし、設定したパスワードを入力するだけです。(パスワードを忘れると自分自身も解除できなくなるため、管理には注意してください)
まとめ
今回は、Excelファイルの見た目をスッキリ整理し、作業効率や共有時の見やすさを向上させる「シートの非表示」機能について解説しました。削除できない重要なデータを裏側に残したまま、必要な情報だけにアクセスできる状態を作ることで、スクロールの手間や操作ミスのリスクを減らすことができます。情報量が多くなりがちなファイルを作成・共有する際には、ブックの保護機能とセットで活用し、スマートなデータ管理に役立ててみてはいかがでしょうか。