今回は、PowerPointの発表者ノートを使って、質疑応答を準備する方法を紹介します。
発表者ノートを質疑応答に使う理由
PowerPointの発表者ノートは、発表中に話す内容を補助するだけでなく、質疑応答の準備にも使えます。スライド上には載せきれない補足、想定質問、回答の要点を入れておくと、発表中や質問対応で落ち着いて確認できます。
発表者ノートは、聞き手には見せずに発表者が参照するためのメモ欄です。本文スライドを詰め込みすぎず、必要な補足をノート側へ分けることで、画面を読みやすく保てます。
質疑応答の場面では、質問に対してすぐに完璧な文章で答える必要はありません。根拠、前提、補足資料、担当部署などをノートに整理しておくと、回答の方向性を確認しやすくなります。
スライドごとに想定質問を書く
質疑応答の準備では、スライドごとに聞かれそうな質問を考えます。全体の最後にまとめて想定質問を作るより、各スライドを見ながら考えるほうが、内容に即した準備ができます。
想定質問の例は次の通りです。
- この数値の根拠は何か
- 別案と比べた理由は何か
- 実施時期はいつを想定しているか
- 費用や作業負担はどこに発生するか
- 関係部署との調整は済んでいるか
ノートには、質問文だけでなく回答の要点も入れます。長い文章にすると発表中に探しにくくなるため、短い箇条書きで十分です。回答の中で言い切れない内容は、「確認して後日回答」と分かるようにしておくと、無理な回答を避けられます。
回答の型を用意する
質疑応答では、質問の種類ごとに回答の型を持っておくと対応しやすくなります。発表者ノートに型を入れておけば、質問を受けたときに話の順番を整えられます。
使いやすい回答の型は次の通りです。
- 結論を先に言い、理由を補足する
- 前提を確認してから回答する
- 分かっていることと未確認のことを分ける
- 資料内の該当スライドを示して説明する
- 後日確認が必要な点は期限と担当を伝える
たとえば、数値に関する質問には「算出元、対象期間、注意点」の順で答える、運用に関する質問には「担当、手順、確認方法」の順で答える、と決めておくと話しやすくなります。
補足資料への案内を残す
発表スライドにすべての補足情報を載せると、資料が読みにくくなります。発表者ノートには、補足資料や参考スライドの場所をメモしておくと便利です。質問が出たときに、どの資料を見ればよいかをすぐに確認できます。
ノートに残すとよい情報は次の通りです。
- 補足スライドの番号
- 根拠資料のファイル名
- 確認先の部署や担当
- 関連する過去資料
- 後日共有する資料の有無
スライド番号は、資料を編集すると変わることがあります。最終確認時に、ノート内の番号と実際のスライド番号が合っているかを見直します。
答えない範囲も決めておく
質疑応答では、答える内容だけでなく、答えない範囲を決めておくことも大切です。未確定の内容、社外秘の情報、他部署の判断が必要な内容をその場で言い切ると、後で修正が必要になることがあります。
ノートに入れておきたい注意点は次の通りです。
- 未確定のため断定しない内容
- 公開範囲に注意が必要な情報
- 担当部署の確認が必要な事項
- 個別条件によって回答が変わる内容
- 後日回答に回すべき質問
「現時点では確認中」「担当部署へ確認して回答」「この場では範囲を限定して説明」など、言い方の候補を用意しておくと、発表中に焦りにくくなります。
発表者ツールで見え方を確認する
発表者ノートを質疑応答に使う場合、発表者ツールでノートが見えるかを確認します。オンライン会議や会場の接続環境によっては、発表者画面と参加者画面の見え方が異なることがあります。
事前確認の項目は次の通りです。
- 発表者ツールでノートが表示されるか
- 文字サイズが読みやすいか
- ノートが長すぎて探しにくくないか
- 画面共有時にノートが参加者へ見えていないか
- 補足スライドへ移動しやすいか
ノートは長文にせず、質問、回答要点、注意点を分けて書くと読みやすくなります。発表中に探す前提で、短い見出しを付けておくのも有効です。
質疑後の対応メモにも使う
発表中に出た質問や宿題は、発表後に整理する必要があります。発表者ノートとは別にメモを取る方法もありますが、該当スライドのノートに追記しておくと、どの内容に対する質問だったか分かりやすくなります。
質疑後に残すとよい内容は次の通りです。
- 質問の要点
- その場で回答した内容
- 後日確認が必要な事項
- 回答担当者
- 回答期限
発表後に資料を共有する場合は、内部メモが残ったまま配布されないように注意します。共有用ファイルを作るときは、ノートを残すか削除するかを確認しましょう。
まとめ
PowerPointの発表者ノートは、質疑応答の準備に役立ちます。スライドごとに想定質問、回答の要点、補足資料、注意点を整理しておくと、発表中に必要な情報を確認しやすくなります。
回答の型を用意し、答えない範囲も決めておくと、質問対応が落ち着きます。発表者ツールでノートの見え方を確認し、発表後は質疑内容や宿題を整理します。共有用ファイルを作る際は、ノートの扱いにも注意しましょう。