今回は、ExcelのIFS関数で条件整理をしやすくする方法を紹介します。
IFS関数は複数条件を順番に判定できる
Excelで条件によって表示を変えたいとき、IF関数を使うことがよくあります。ただし、条件が増えるとIFの中にIFを重ねる形になり、式が読みづらくなります。評価、区分、判定結果、対応ステータスなど、複数の条件を順番に見る表では、IFS関数を使うと整理しやすくなります。
IFS関数は、条件と結果をセットで並べ、最初に当てはまった条件の結果を返す関数です。条件を上から順に読む形で式を作れるため、後から見返したときに判断の流れを追いやすくなります。
たとえば点数に応じて評価を返す、期限までの日数に応じて状態を表示する、入力内容に応じて案内文を出す、といった使い方ができます。
基本の考え方
IFS関数では、条件1、結果1、条件2、結果2のように、条件と返す値を交互に書きます。条件1が成り立てば結果1を返し、成り立たなければ次の条件を確認します。
上から順に判定される
IFS関数は、上に書いた条件から順番に判定します。そのため、条件の順番が結果に影響します。広い条件を先に書くと、後ろの細かい条件まで進まないことがあります。
たとえば期限管理で、「期限切れ」「本日期限」「確認中」のように表示したい場合、どの条件を先に判定するかを考えます。条件が重なる可能性がある場合は、優先したい判定を上に置きます。
最後の条件を用意する
どの条件にも当てはまらない場合、IFS関数はエラーになります。想定外の値が入る可能性がある表では、最後にTRUEを条件として用意し、「確認」や「対象外」などを返す方法があります。
最後のTRUEは、ここまでの条件に当てはまらなかった場合の受け皿として使えます。ただし、何でも受け止める形にすると入力ミスに気づきにくくなることもあります。エラーとして見せたいのか、案内文を出したいのかを表の目的に合わせて決めます。
評価表で使う
IFS関数は、点数や達成度に応じて評価を表示する表で使いやすい関数です。条件を段階ごとに並べることで、どの範囲がどの評価になるのかを式の中で確認できます。
条件の境界をはっきりさせる
評価表では、条件の境界をあいまいにしないことが大切です。たとえば「80以上」「60以上」「それ以外」のように、重なりがあっても上から順に判定すれば意図した結果になります。
この場合、数値の高い条件から順に書くと読みやすくなります。先に「60以上」を書いてしまうと、80以上の値もそこで判定され、後ろの条件に進みません。条件の順番は、結果を決める重要な要素です。
条件表を別に作る方法もある
評価の段階が多い場合、IFS関数だけで処理すると式が長くなります。条件が頻繁に変わるなら、別に条件表を作り、検索関数で判定する方法もあります。
IFS関数は、条件の数がある程度限られていて、式の中で判断を確認したい場面に向いています。条件が増えすぎる場合は、表で管理する方法と比べて選びます。
ステータス管理で使う
タスク表や確認リストでは、入力状況や期限に応じてステータスを表示したいことがあります。IFS関数を使うと、複数の条件を順に判定して状態を返せます。
空白の扱いを決める
入力欄が空白のときに何を表示するかは、先に決めておきます。空白なら空白のままにする、未入力と表示する、確認対象外にするなど、表の使い方によって適した表示は変わります。
空白を先に判定しておくと、未入力の行に不要な判定結果が出るのを防ぎやすくなります。タスク表では、担当者や期限が未入力の行に「遅延」と表示されると混乱することがあります。
日付条件は基準日を決める
期限管理でIFS関数を使う場合、今日の日付を基準に判定することがあります。TODAY関数を使えば、ファイルを開いた日をもとに状態を変えられます。
ただし、自動で変わる表示が適さない文書もあります。提出済みの報告書など、ある時点の状態を残したい場合は、基準日をセルに入力して参照する方法が向いています。基準日を変えれば判定も変わるため、確認しやすくなります。
式を読みやすくするコツ
IFS関数はIFの入れ子より読みやすくなりますが、条件が増えるとそれでも長くなります。後から修正することを考え、条件の順番や参照セルを整理しておきます。
条件に使う値をセルに置く
式の中に基準値を直接書くと、変更時に式を編集する必要があります。基準値を別セルに置いて参照すれば、条件を変えるときにセルの値を直すだけで済みます。
たとえば評価の境界値、期限までの日数、区分名などは、表の上部や別シートに置く方法があります。条件の意味が見えるため、他の人にも説明しやすくなります。
同じ条件を繰り返さない
複数の列で同じようなIFS関数を使う場合、条件の書き方が列ごとに少しずつ違うと修正が難しくなります。基準値や条件セルを共通化し、式の形をそろえると管理しやすくなります。
コピーして使う場合は、絶対参照と相対参照にも注意します。基準値のセルがずれると、見た目は同じような式でも結果が変わります。
エラーを確認する
IFS関数でエラーが出る場合、どの条件にも当てはまっていない、条件式の書き方が誤っている、参照先がずれているといった原因が考えられます。
想定外の値を見つける
エラーをすぐに隠すのではなく、想定外の入力がないか確認することも大切です。たとえば「完了」「対応中」「未着手」だけを想定している列に、別の表記が入っていると条件に当てはまらないことがあります。
表記揺れが起きやすい場合は、入力規則やドロップダウンリストを使うと安定します。IFS関数だけで処理するのではなく、入力側を整えることも結果の安定につながります。
条件の順番を見直す
結果が思ったものと違う場合は、条件の順番を確認します。先に成立する条件があると、後ろの条件は判定されません。細かい条件を先に置くか、優先したい条件を上に置くかを見直します。
条件が重なっているかどうかは、紙に書き出すと分かりやすくなります。数値範囲や日付範囲では、境界値がどちらに含まれるかも確認します。
まとめ
ExcelのIFS関数は、複数の条件を順番に判定し、当てはまった条件の結果を返す関数です。IF関数を何重にも重ねるより、判断の流れを読みやすくできます。
使うときは、条件の順番、最後の受け皿、空白の扱い、基準値の管理を意識します。条件が増えすぎる場合は条件表や検索関数も検討し、入力規則と組み合わせることで、判定表を扱いやすくできます。