今回は、Wordで段落の移動をキーボードで行う方法として、Alt+Shift+方向キーを中心に、文書の構成を組み替えるときに役立つ操作を紹介します。
この記事は、Windows版のWord(Microsoft 365のWordなど)を前提にしています。ショートカットキーはMicrosoftの公式一覧(米国キーボードのレイアウトが基準)に沿って説明しています。Mac版のWordはキーの割り当てが異なるため、Mac向けの一覧を確認してください。
段落を移動したい場面と、よくある困りごと
報告書や企画書を書いていると、「この段落は前に置いたほうが話の流れが自然だ」と感じることがあります。箇条書きの順番を入れ替えたい、見出しごと章の順番を変えたい、といった場面もよくあります。
マウスで範囲を選んで切り取り、貼り付ける方法でも移動はできますが、次のような手間や失敗が起こりがちです。
- ドラッグで選択するときに、段落の最後の文字や段落記号を取りこぼす
- 貼り付けた位置がずれて、空行が余ったり段落がくっついたりする
- 長い文書で、移動先までスクロールするのに時間がかかる
こうした作業を短くするのが、段落単位の移動に使えるキー操作です。
Alt+Shift+方向キーで段落を上下に移動する
Microsoftの公式ショートカット一覧では、アウトライン表示の操作として次のキーが案内されています。
- Alt+Shift+↑:選択した段落を上に移動する
- Alt+Shift+↓:選択した段落を下に移動する
カーソルを置いた段落、または選択した段落が、前後の段落と入れ替わるように1つずつ移動します。切り取りと貼り付けを使わないため、移動先の位置を探す必要がありません。
アウトライン表示に切り替える
公式一覧ではアウトライン表示での操作として掲載されているため、まずは表示を切り替えて使うのが確実です。
- Ctrl+Alt+Oを押して、アウトライン表示に切り替える
- 移動したい段落にカーソルを置く(複数の段落を動かす場合は、まとめて選択する)
- Alt+Shift+↑またはAlt+Shift+↓を押して、目的の位置まで移動する
- 作業が終わったらCtrl+Alt+Pで印刷レイアウト表示に戻す
アウトライン表示は[表示]タブからも切り替えられます。キーボードで操作する場合は、Alt、Wの順に押すと[表示]タブが開きます。
複数の段落をまとめて動かすコツ
連続する複数の段落を選択してからAlt+Shift+方向キーを押すと、選択したまとまりごと移動できます。選択にはShift+↑/↓を使うと、行単位で範囲を広げられるので、マウスより狙い通りに選びやすくなります。
段落全体をすばやく選びたいときは、F8を繰り返し押す方法もあります。F8を押すたびに選択範囲が単語、文、段落、セクション、文書全体へと広がります。選択の拡張をやめるときはEscを押します。
見出し単位で章の順番を入れ替える
アウトライン表示が便利なのは、見出しの下にある本文を折りたたんだ状態で操作できる点です。見出しスタイル(見出し1、見出し2など)を設定している文書であれば、章や節をまとめて並べ替えやすくなります。
見出しだけを表示してから移動する
公式一覧には、アウトライン表示で使える次のキーも掲載されています。
- Alt+Shift+1:[見出し 1]スタイルの見出しをすべて表示する
- Alt+Shift+A:すべてのテキストや見出しを展開する、または折りたたむ
- Alt+Shift+L:本文の最初の行だけを表示するか、本文をすべて表示するかを切り替える
たとえば、Alt+Shift+1で大見出しだけを表示し、入れ替えたい見出しにカーソルを置いてAlt+Shift+↑/↓を押すと、折りたたまれた本文ごと章の位置を変えられます。本文がすべて展開されたままだと、移動の単位が段落1つずつになるため、動かす前に表示を絞っておくのがコツです。
見出しのレベルも同時に整える
並べ替えの途中で「この節は独立した章にしたい」と感じたら、レベルの変更も同じ考え方で行えます。
- Alt+Shift+←:段落のレベルを上げる
- Alt+Shift+→:段落のレベルを下げる
- Ctrl+Shift+N:段落を本文テキストに戻す
左右でレベル、上下で位置と覚えておくと、構成の見直しをキーボードだけで進められます。見出しのレベルを整えておくと、目次やナビゲーション ウィンドウの表示にも反映されるため、後の作業も楽になります。
表の中で行を入れ替えるときにも
公式一覧の「表を操作する」の項目にも、Alt+Shift+↑/↓が1行上・1行下への移動として記載されています。表の行の順番を入れ替えたいときに試してみると便利です。
ただし、表の結合セルが含まれる場合などは、思った通りに動かないこともあります。大事な表を操作するときは、事前に文書を保存しておき、うまくいかなかった場合はCtrl+Zで元に戻せるようにしておくと安心です。
ほかの移動方法と使い分ける
Alt+Shift+方向キーは「隣の段落と順番を入れ替える」操作に向いています。離れた場所へ移動したい場合は、次の方法と組み合わせると効率が上がります。
- F2:選択した内容を移動する。F2を押したあと、方向キーで移動先にカーソルを置き、Enterで確定(Escで取り消し)
- Shift+F2:選択した内容を、同じ手順で別の場所へコピーする
- Ctrl+F3:選択した内容をスパイクに切り取る。複数の箇所を順に切り取り、Ctrl+Shift+F3でまとめて貼り付けられる
- Ctrl+↑/↓:カーソルを1段落ずつ上下に移動する。移動元や移動先を探すときに役立つ
特にスパイクは、あちこちに散らばった段落を1か所に集めたいときに便利です。通常のクリップボードは最後にコピーした内容で上書きされますが、スパイクは切り取った内容を順番にためておけます。
操作を安全に進めるためのヒント
- 編集記号を表示する:Ctrl+Shift+8で段落記号などの編集記号を表示すると、どこからどこまでが1つの段落かが分かりやすくなります(テンキーの8は使いません)
- 移動前に保存する:構成を大きく組み替える前に保存しておくと、元の状態に戻したいときに安心です
- 改行と段落を区別する:Shift+Enterで入れた改行は段落の区切りではないため、1つの段落として一緒に移動します
- キーボードのレイアウトに注意する:公式一覧は米国キーボードが基準のため、記号を含むショートカットは環境によって異なる場合があります
まとめ
Wordで段落の順番を入れ替えたいときは、Alt+Shift+↑/↓を使うと、切り取りと貼り付けを使わずに段落単位で移動できます。公式一覧ではアウトライン表示の操作として案内されているため、Ctrl+Alt+Oでアウトライン表示に切り替えてから使うのが確実です。
見出しだけを表示してから動かせば章ごとの並べ替えができ、Alt+Shift+←/→を組み合わせれば見出しのレベルも整えられます。離れた場所への移動にはF2やスパイクを使い分けると、文書の構成を見直す作業がスムーズになります。