今回は、Wordで数ページから数十ページに及ぶような長文ドキュメントを作成する際に、スタイル機能と目次作成を活用して、美しく読みやすい資料に仕上げるためのヒントを紹介します。
Wordのスタイル機能でデザインに統一感を持たせる
企画書やマニュアル、論文などの長文を作成していると、見出しのフォントサイズや色、段落の字下げなどがページによってバラバラになってしまい、全体的にまとまりのない印象を与えてしまうことがあります。その都度、文字を選択してフォントサイズを変えたり太字にしたりという手作業での装飾は、手間がかかるだけでなく、一貫性を保つのが非常に困難です。
そこで積極的に取り入れたいのが、Wordの「スタイル」機能です。スタイルとは、文字の大きさ、色、フォントの種類、行間などの書式設定をひとまとめにして名前を付け、登録しておける機能のことです。あらかじめ「大見出し」「小見出し」「標準テキスト」といったスタイルを設定しておけば、適用したい段落にカーソルを合わせてスタイルを選ぶだけで、一瞬にして決まったデザインに整えることができます。これにより、ドキュメント全体を通して統一感のある美しいレイアウトを維持することが可能になります。
スタイルの設定と活用による作業効率の向上
スタイル機能の魅力は、見た目を揃えることだけにとどまりません。文書の修正やデザインの変更が発生した際にも、その真価を発揮します。
- 一括でのデザイン変更が可能:例えば、「すべての見出しの色を青から黒に変えたい」と思った場合、手作業で装飾していたら一つひとつ修正して回る必要があります。しかし、スタイル機能を使っていれば、登録されている「見出しスタイル」の設定を一つ変更するだけで、文書内の該当するすべての見出しが自動的に更新されます。
- 構造化された文書作り:見出し1、見出し2といった階層構造を意識してスタイルを適用することで、Wordが文書の骨組みを正確に認識できるようになります。これが、後述する目次の自動作成やナビゲーション機能の基盤となります。
- オリジナルスタイルの作成:用意されている既定のスタイルだけでなく、自社のブランドカラーや規定のフォントに合わせた独自のスタイルを新しく作成し、保存しておくことも可能です。
自動目次作成機能で長文の全貌をわかりやすく
数十ページにわたるドキュメントにおいて、読者が目的の情報に素早くたどり着くために不可欠なのが「目次」の存在です。しかし、手打ちで目次を作成し、ページ番号を一つずつ確認して入力していく作業は非常に骨が折れます。さらに、途中に文章を追記したり削除したりしてページがずれるたびに、目次も修正し直さなければならないのは大きなストレスになりがちです。
Wordには、設定した見出しスタイルを読み取って、一瞬で目次を自動生成してくれる強力な機能が備わっています。スタイル機能を使って文書がきちんと構造化されていれば、数回のクリック操作だけで、正確なページ番号が付与された美しい目次が完成します。
目次作成をスムーズに行うためのポイント
自動で目次を作成し、メンテナンスを楽にするためのちょっとしたコツがあります。
- 見出しスタイルの徹底:目次に表示させたい項目には、必ず「見出し1」「見出し2」などのスタイルを適用しておきます。これが目次生成の目印となります。
- 目次の挿入位置を決める:文書の先頭など、目次を配置したい場所にカーソルを合わせ、「参考資料」タブから「目次」を選択して好みのデザインを選びます。
- ページ番号の更新を忘れない:文書の編集が進み、見出しの追加やページの増減があった場合は、目次全体を選択して「目次の更新」を行うだけで、最新の見出し構成とページ番号に一括で書き換えることができます。手作業での修正漏れを防ぐためにも、最終確認時の更新を習慣にすると良いでしょう。
スタイルと目次で読み手にも書き手にも優しい文書へ
スタイル機能による一貫性のあるデザインと、自動目次作成による見通しの良さは、ドキュメントの質を一段階引き上げてくれます。読み手にとっては情報が整理されていて理解しやすい資料となり、書き手にとっては修正や体裁を整える手間が大幅に削減されるという、双方にとってメリットの大きいアプローチです。
長文ドキュメントを作成する際は、いきなり文字を打ち始めるのではなく、まずはスタイルのルールを決め、構造を意識しながら書き進めることを心がけてみてはいかがでしょうか。