今回は、Wordの隠し文字機能を使って、文書内の特定のテキストを一時的に非表示にしたり、印刷されないように設定したりする方法について紹介します。
社内向けのメモや、後で確認するための個人的なコメント、あるいは特定の相手には見せたくない情報を文書内に書き込んでいる場面があるかもしれません。文書をコピーして複数のバージョンを作るのも一つの方法ですが、隠し文字の機能を活用することで、一つのファイル内で表示と非表示を柔軟に切り替えられるようになります。
情報の一元管理を保ちつつ、用途に応じて出力内容を変えたいときに役立つ機能です。
隠し文字機能とは
隠し文字とは、Wordのフォントの書式設定の一つで、指定した文字列を画面上や印刷時に見えなくする機能のことです。
文字が削除されるわけではなく、データとしては文書内に残っているものの、設定によって一時的に「隠れている」状態になります。
例えば、教師が作成するテスト用紙の解答部分を隠し文字に設定しておけば、生徒に配布する問題用紙と、自分が確認する解答付きの用紙を同じ一つのファイルから印刷することが可能になります。
また、プレゼンテーションの台本や補足説明を文書内に書いておき、配布用の資料として印刷するときだけ見えなくする、といった使い方も考えられます。
文字を隠し文字に設定する方法
対象となる文字列を隠し文字にする手順をお伝えします。
まずは、文書内で隠したい部分のテキストをドラッグして選択します。数文字の単語から、複数の段落にわたる長文まで、自由に選択できます。
次に、リボンの「ホーム」タブを開きます。「フォント」グループの右下にある小さな矢印(フォントダイアログボックス起動ツール)をクリックするか、キーボードの「Ctrl」キーと「D」キーを同時に押して、「フォント」ダイアログボックスを開きます。
ダイアログボックスの中ほどにある「文字飾り」のセクションに、「隠し文字」というチェックボックスがあります。このチェックボックスをオンにして「OK」ボタンをクリックします。
これで、選択した文字列に隠し文字の属性が設定されます。画面の表示設定によっては、この時点ですぐに文字が見えなくなることがあります。
隠し文字の表示と非表示を切り替える
設定した隠し文字は、画面上で表示させたままにするか、完全に見えなくするかを切り替えることができます。編集作業中は表示しておき、完成形を確認するときに非表示にする、といった使い分けが可能です。
画面上での切り替え操作
もっとも簡単な切り替え方法は、「ホーム」タブの「段落」グループにある「編集記号の表示/非表示」ボタン(矢印が曲がったような段落記号のアイコン)を使うことです。
このボタンをオンにすると、スペースやタブなどの編集記号とともに、隠し文字も画面に表示されます。このとき、隠し文字として設定されたテキストの下には、目印として細い点線が引かれるため、通常の文字と区別することができます。
ボタンをオフにすると、編集記号が消えるとともに、隠し文字も画面から見えなくなります。
この機能は「Ctrl」キーと「Shift」キーを押しながら「8」キー(または「(」キー)を押すショートカットでも切り替えることができます。
オプションから常に表示させる設定
編集記号全体の表示・非表示とは関係なく、隠し文字だけを常に画面に表示させておきたい場合は、Wordのオプションから設定を変更します。
「ファイル」タブから「オプション」を開き、左側のメニューから「表示」を選択します。
「常に画面に表示する編集記号」というセクションの中に「隠し文字」という項目があるので、ここにチェックを入れます。これで、段落記号がオフの状態でも、点線の下線が付いた隠し文字が画面に表示され続けるようになります。編集中に見落としを防ぎたいときに有効な設定です。
隠し文字の印刷に関する設定
画面上の表示設定と、実際にプリンターから印刷されるかどうかの設定は、それぞれ独立して管理できるようになっています。
初期設定では、隠し文字は印刷されないようになっています。つまり、画面上で見えていたとしても、そのまま印刷すれば隠し文字の部分は白紙として出力されます。
もし、自分の確認用として隠し文字も一緒に印刷したい場合は、印刷設定を変更する必要があります。
- 「ファイル」タブから「オプション」を開き、「表示」を選択します。
- 画面を下の方へスクロールし、「印刷オプション」のセクションを見つけます。
- 「隠し文字を印刷する」というチェックボックスにチェックを入れます。
この設定を行うことで、隠し文字も他の通常の文字と同じように印刷されるようになります。用途に応じて印刷前にこのチェックを付け外しすることで、同じ文書から異なる内容の印刷物を作ることができます。
注意点として、外部にファイルをそのまま送信する場合、隠し文字の設定をしたまま送ると、相手側の設定によっては隠し文字が見えてしまう可能性があります。機密情報などを隠す目的で使用する場合は、PDF化して隠れている状態を固定するか、ファイル送信前に隠し文字を完全に削除することをおすすめします。
まとめ
Wordの隠し文字機能を使って、特定のテキストの表示と非表示を切り替える方法をお伝えしました。
一つのファイルでメモ付きとメモなしのバージョンを管理したり、印刷内容を調整したりする際に、とても小回りが利く機能です。
「フォント」ダイアログからの設定、画面上の表示切り替え、そして印刷オプションの設定という3つのポイントを押さえておくことで、文書活用の幅が広がるかと思います。日々の資料作成や整理に役立ててみてはいかがでしょうか。