今回は、PowerPointの「ハイパーリンク」機能を使用して、スライドから別のスライドへ、あるいは外部のファイルやWebサイトへワンクリックでジャンプするインタラクティブな資料を作成する方法について紹介します。
ハイパーリンク機能とは何か
PowerPointでプレゼンテーションを行う際、基本的には1枚目から順番にスライドを進めていきます。
しかし、質疑応答の時間や、相手の興味に合わせて説明する順番を変えたい場合、「〇ページの資料を見せてください」と言われてから、キーボードの矢印キーを何度も押して該当のスライドを探すのは非常にスマートではありません。
このような時に役立つのが「ハイパーリンク」機能です。
Webサイトのリンク(青い下線の文字)をクリックすると別のページに飛ぶのと同じように、PowerPointのスライド上の文字や図形、画像にハイパーリンクを設定しておくことで、クリック一つで「目的のスライド」や「参考となるWebサイト」「別のExcelファイル」などに瞬時に移動できるようになります。
目次スライドを作って各章へジャンプできるようにしたり、各スライドの右下に「目次へ戻る」ボタンを配置したりすることで、聞き手の反応に合わせて縦横無尽に移動できる、アプリのような操作感を持つプレゼン資料が完成します。
ハイパーリンクを設定できる対象
ハイパーリンクは、スライド上の様々なオブジェクトに対して設定できます。
- テキスト(文字列):
「詳細はこちら」といった文字にリンクを貼ります。自動的に青色で下線が引かれたお馴染みのスタイルになります。 - 図形(ボタン):
四角形や角丸四角形を描き、その中に「次へ」や「戻る」と書いてボタンのように見立てた図形全体にリンクを貼ります。クリックできる範囲が広いため、プレゼン中の操作ミスを防ぐのに最適です。 - 画像やアイコン: 会社のロゴや、家のマーク(ホームボタン)などの画像に対してリンクを貼ることも可能です。
同じプレゼンテーション内の別のスライドへジャンプする手順
最も利用頻度が高い、ファイル内にある別のスライド(例えば目次から第3章へ)に移動するハイパーリンクの設定方法を解説します。
リンク先(ジャンプ先)の指定
まずは、リンクを設定したい文字をドラッグして選択するか、図形や画像をクリックして選択状態にします。
次に、リボンの「挿入」タブを開き、「リンク」グループの中にある「リンク(またはハイパーリンク)」のアイコンをクリックします。
(または、選択した対象の上で右クリックし、メニューから「リンク」を選んでも同じ画面が開きます。)
「ハイパーリンクの挿入」というダイアログボックスが開いたら、左側の「リンク先」というメニューの中から、「このドキュメント内」を選択します。
すると、右側の画面に、現在開いているプレゼンテーション内のすべてのスライドのタイトルが、1枚目から順番にツリー状のリスト(スライドタイトル)になって表示されます。
このリストの中から、ジャンプさせたい目的のスライド(例:「スライド 5. 第3章の課題」など)をクリックして選びます。
ダイアログボックスの右側にそのスライドのプレビュー画像が表示され、間違いがなければ「OK」ボタンをクリックします。
これで、スライド間のハイパーリンク設定は完了です。
動作の確認と「スライドショー」での機能
ハイパーリンクが正しく設定されたかどうかを確認するには、必ず「スライドショー」を実行する必要があります。
標準の編集画面(標準ビュー)のままでは、設定した図形をクリックしても単に図形が選択されるだけで、ジャンプは機能しません。
画面右下の「スライドショー」アイコンをクリックしてフルスクリーン表示にし、設定した文字や図形の上にマウスポインターを乗せます。
ポインターの形が「矢印」から「手の指差しマーク(リンクマーク)」に変わることを確認し、クリックすると、指定したスライドへ瞬時に切り替わります。
この仕組みを利用して、全スライドのスライドマスター上に「目次へ戻る」という小さなボタンを配置し、2枚目の目次スライドへリンクさせておけば、どのスライドからでもワンクリックで目次に戻ってこれる強力なナビゲーションシステムが構築できます。
外部のWebサイトや別のファイルへジャンプする手順
PowerPointのスライド内だけにとどまらず、インターネット上のWebページを開いたり、詳細なデータが入力されているExcelファイルを開いたりすることも可能です。
WebサイトのURLへリンクする
参考資料となるWebサイトのページに飛ばしたい場合の手順です。
リンクを設定したい文字や図形を選択し、先ほどと同じように「ハイパーリンクの挿入」ダイアログボックスを開きます。
今度は、左側の「リンク先」メニューから「ファイル、Web ページ」を選択します。
画面の下部にある「アドレス」という入力欄に、飛ばしたいWebサイトのURL(例:https://www.example.com/)をキーボードから直接入力するか、ブラウザからコピーしてきて貼り付けます。
「OK」をクリックして設定を完了します。
スライドショーの実行中にこのリンクをクリックすると、パソコンの標準ブラウザ(EdgeやChromeなど)が自動的に立ち上がり、指定したWebサイトが表示されます。
別のファイル(ExcelやPDFなど)を開く
プレゼンの補足として、重たいExcelのデータ表や、PDFのパンフレットをその場で見せたい場合の手順です。
同じく「ファイル、Web ページ」が選択された状態で、画面中央のフォルダ参照エリアを使って、パソコン内に保存されている目的のファイル(例:売上データ.xlsx)を探してクリックします。
「アドレス」の欄にそのファイルの保存場所(パス)が自動で入力されたことを確認し、「OK」をクリックします。
スライドショー中にクリックすると、Excelが起動してそのファイルが開きます。
ただし、別のファイルへリンクを張る場合、そのPowerPointファイルを別のパソコンに移動させたり、USBメモリに入れて持ち運んだりすると、「リンク先のファイルが見つからない(リンク切れ)」というエラーになりやすいため、関連するファイルはすべて同じフォルダ内にまとめて保存しておく(相対パスにする)といった注意が必要です。
まとめ
PowerPointの「ハイパーリンク」機能を使用して、スライド間や外部のWebサイト・ファイルへワンクリックでジャンプする方法について解説しました。
「挿入」タブから「リンク」を選び、ダイアログボックスで「このドキュメント内」から目的のスライドを選ぶだけで、順番通りに進めるだけの単調なプレゼンから、聞き手の興味に合わせて自在に画面を切り替えられるインタラクティブな資料へと進化します。
文字だけでなく、四角形などの「図形」をボタンに見立ててリンクを設定することで、クリックしやすくデザイン性も高いナビゲーションが完成します。
また、外部のWebページやExcelファイルへリンクさせる設定を活用すれば、すべての情報をスライド内に詰め込む必要がなくなり、スッキリとした見やすいプレゼン資料を保つことができます。
スライドショーを実行しないとジャンプ機能が働かない点や、別ファイルへのリンク切れリスクに注意しながら、ハイパーリンクを駆使してスマートで説得力のあるプレゼンテーションを実現してみてはいかがでしょうか。