【Word】組織図を作る方法

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今回は、Word(ワード)で組織図を作る方法を紹介します。
会社やプロジェクトの組織構成を視覚的に表現したいときに、Wordに標準搭載されているSmartArt(スマートアート)機能を使うと、見やすい組織図を作成することができます。
当記事では、SmartArtを使った組織図の作り方から編集方法、カスタマイズのコツまで、ステップバイステップで解説します。

SmartArtとは?組織図作成に最適なツール

SmartArt(スマートアート)とは、Microsoft Office製品(Word、Excel、PowerPoint)に搭載されている、視覚的に情報を表現するための機能です。様々な種類のグラフィックテンプレートが用意されており、その中には組織図に最適な「階層構造」というカテゴリが含まれています。

組織図を一から図形を使って作成するのは手間がかかりますが、SmartArtを使うと、テンプレートを選択するだけで基本的な構造が自動的に作成され、あとは内容を編集するだけで完成します。また、デザインも整っているため、見やすい組織図を効率的に作成することができます。

Wordで組織図を作成する基本手順

それでは、WordのSmartArt機能を使って組織図を作成する基本的な手順を見ていきましょう。

1. SmartArtの挿入

まず、組織図を挿入したい位置にカーソルを置き、次の手順でSmartArtを挿入します。

  1. Wordの上部メニューから「挿入」タブをクリックします。
  2. 」グループにある「SmartArt」ボタン(矢印や箇条書きのアイコン)をクリックします。
  3. 表示される「SmartArtグラフィックの選択」ダイアログボックスの左側から「階層構造」を選択します。
  4. 右側に表示されるテンプレートから「組織図」を選択します。組織図は通常、上から下に広がる構造になっていますが、横方向に広がる組織図も選択できます。
  5. OK」ボタンをクリックします。

これで、文書内に基本的な組織図が挿入されました。次に、この組織図を編集していきます。

2. 組織図のテキスト入力

挿入された組織図には、各図形に「テキスト」という仮のテキストが入っています。これを実際の組織名や役職名、人名などに置き換えていきます。テキストを入力する方法は2つあります。

  • 各図形を直接クリックして、表示されるテキストを編集する方法
  • 組織図の横に表示される「テキストウィンドウ」を使って編集する方法

テキストウィンドウを使うと、図形の追加や階層の変更なども同時に行えるので便利です。テキストウィンドウが表示されていない場合は、組織図を選択した状態で「SmartArtツール」の「デザイン」タブにある「テキストウィンドウ」ボタンをクリックすると表示されます。

3. 組織図の構造編集

基本的な組織図が作成できたら、必要に応じて図形の追加や削除、階層の変更などを行い、実際の組織構造に合わせていきます。

図形の追加

新しい図形(ボックス)を追加するには、次の手順で行います。

  1. 追加したい位置に近い既存の図形をクリックして選択します。
  2. 「SmartArtツール」の「デザイン」タブにある「グラフィックの作成」グループで、「図形の追加」の横の矢印をクリックします。
  3. 表示されるメニューから追加する位置を選択します。
    • 後に図形を追加」:選択した図形と同じ階層で、その図形の後ろに新しい図形を追加
    • 前に図形を追加」:選択した図形と同じ階層で、その図形の前に新しい図形を追加
    • 上に図形を追加」:選択した図形の上の階層に新しい図形を追加
    • 下に図形を追加」:選択した図形の下の階層に新しい図形を追加
    • アシスタントの追加」:選択した図形のアシスタント(補助的な役割)として新しい図形を追加

図形の削除

不要な図形を削除するには、削除したい図形をクリックして選択し、キーボードの「Delete」キーを押します。この時、図形内のテキストにカーソルが点滅していないことを確認してください。カーソルが点滅している場合は、図形の枠線をクリックしてから削除操作を行います。

組織図のデザインカスタマイズ

基本的な組織図の構造ができたら、色やスタイルを変更して見栄えを良くしましょう。SmartArtは様々なデザインオプションを提供しています。

1. レイアウトの変更

組織図の構造(レイアウト)を変更するには、組織図を選択した状態で「SmartArtツール」の「デザイン」タブにある「レイアウト」ボタンをクリックします。以下のような選択肢があります。

  • 標準」:選択した図形の下にあるすべての図形を中央に配置
  • 左右に分岐」:選択した図形をその下の図形の中央に配置し、下の図形を各行に2つずつ横に配置
  • 右から左」:図形の配置を右から左に変更(左から右の配置を逆にする)

2. スタイルと色の変更

組織図の視覚的なデザインを変更するには、次の手順で行います。

  1. 組織図を選択した状態で「SmartArtツール」の「デザイン」タブを表示します。
  2. 「SmartArtのスタイル」グループから好みのスタイルを選択します。
  3. 「色の変更」ボタンをクリックして、カラースキームを変更することもできます。

また、「SmartArtツール」の「書式」タブでは、個別の図形の色や枠線、効果などをさらに細かくカスタマイズすることができます。

組織図作成の実践的なヒントとコツ

より効果的な組織図を作成するためのヒントとコツをいくつか紹介します。

1. 適切なテンプレートの選択

組織の規模や構造に合わせて最適なテンプレートを選びましょう。小規模な組織なら標準的な「組織図」が適していますが、大規模な組織や複雑な階層構造がある場合は、「水平方向の組織図」や他の階層構造テンプレートの方が見やすくなることがあります。

2. 見やすさを優先

情報を詰め込みすぎると、組織図が読みにくくなります。各図形には役職名と氏名程度の情報に留め、必要に応じて別の文書で詳細情報を補足することをおすすめします。

3. 一貫性のあるデザイン

組織図全体で統一感のあるデザインを使用しましょう。フォントの種類やサイズ、色使いなどを統一することで、整った印象を与えることができます。

4. 用紙設定の最適化

組織図が大きくなる場合は、Wordの用紙設定を横向き(ランドスケープ)にしたり、余白を小さくしたりすることで、より広いスペースを確保できます。

組織図作成時によくある問題と解決方法

組織図を作成する際によく発生する問題とその解決方法をいくつか紹介します。

1. SmartArtツールタブが表示されない

組織図を選択しているのに「SmartArtツール」タブが表示されない場合は、組織図をダブルクリックするか、図形の枠線をクリックして確実に選択状態にしてください。

2. 図形の線が曲がる

組織図の階層を増やしていくと、図形を繋ぐ線が曲がることがあります。これは通常、その下にさらに図形を追加することで自動的に調整されます。もし調整されない場合は、「SmartArtツール」の「デザイン」タブにある「右から左」ボタンをクリックしてレイアウトを調整してみてください。

3. 図形のサイズが揃わない

テキスト量によって図形のサイズが変わってしまう場合は、「SmartArtツール」の「書式」タブで図形のサイズを手動で調整することができます。複数の図形を一度に選択して同じサイズに設定することも可能です。

Wordの組織図とExcel・PowerPointの違い

SmartArt機能はWord、Excel、PowerPointのすべてに搭載されていますが、用途に応じて使い分けると効果的です。

  • Word:文書内に組織図を挿入する場合に適しています。レポートや計画書など、文章主体の文書で組織構造を説明する場合に便利です。
  • Excel:データと連携させたい場合や、大規模な組織図を作成する場合に適しています。セルを使った独自の組織図も作成可能です。
  • PowerPoint:プレゼンテーション用の視覚的な組織図を作成する場合に最適です。アニメーション効果を付けて、段階的に組織構造を説明することもできます。

基本的な操作方法はどのアプリケーションでも同じですが、それぞれの特性を活かした使い方をすることで、より効果的な組織図を作成することができます。

組織図の保存と共有

作成した組織図を保存・共有する方法についても押さえておきましょう。

1. Word文書として保存

組織図を含むWord文書は通常の方法で保存できます。「ファイル」タブをクリックし、「名前を付けて保存」を選択して保存します。

2. 組織図だけを画像として保存

組織図だけを画像として取り出したい場合は、組織図を右クリックして「図として保存」を選択します。JPEG、PNG、GIFなど様々な形式で保存することができます。

3. PDFとして保存

編集できない形式で共有したい場合は、PDFとして保存するとよいでしょう。「ファイル」タブの「エクスポート」から「PDF/XPSドキュメントの作成」を選択します。

まとめ

Wordに搭載されているSmartArt機能を使うと、見やすい組織図を効率的に作成することができます。基本的な手順は、挿入タブからSmartArtを選択し、階層構造カテゴリから組織図テンプレートを選びます。

組織図の編集も直感的に行うことができ、テキストの入力や図形の追加・削除、レイアウトの変更、デザインのカスタマイズなど、様々な調整が可能です。また、作成した組織図は文書内に埋め込むだけでなく、画像として保存したり、PDF形式でエクスポートすることもできます。