今回は、Microsoft Word で「Word 文字を罫線で囲んで色を付ける」操作方法を紹介します。見出しや強調したい語句を囲み線で目立たせると、資料の読みやすさが上がり、意味のまとまりも伝わりやすくなります。本記事では、日本語版 Word のリボン UI を前提に、単語・文・段落を罫線で囲み、線の色や太さを調整する方法を整理します。
Word では、セルや図形を使わなくても、文字に対して罫線を設定できます。設定対象の考え方とメニューの場所を把握しておくと、文書レイアウトの調整が行いやすくなります。
Word で文字を罫線で囲む基本の考え方
まず、Word の罫線機の前提を整理します。Word の罫線は、主に次の単位に対して設定できます。
- 単語や文字列を含む段落全体
- セルや表などの表の罫線
- ページやセクション全体を囲むページ罫線
単語だけをピンポイントに囲みたい場合でも、実際にはその単語を含む段落に罫線を適用することが多くなります。段落記号(改行マーク)までを 1 単位と考える仕様のためです。
そのため、「Word 文字を罫線で囲んで色を付ける」ケースでは、次のような方針で操作すると扱いやすくなります。
- 囲みたい単語を 1 行(1 段落)にまとめて入力しておき、その段落に罫線を適用する
- 見出しや小見出しなど、意味のまとまりごとに段落を分けておく
- 線の色や太さは、文書全体のデザインに合わせて統一しておく
前提環境と画面の名称
本記事の説明は、次の環境を前提としています。
- アプリケーション:Microsoft Word 日本語版
- 想定バージョン:Microsoft 365 / Word 2021 / Word 2019 以降
- 表示形式:標準リボン(上部にタブとボタンが並ぶ画面構成)
タブ名やボタン名は、日本語版の一般的な表記(例:ホーム タブ、段落 グループ、罫線 ボタン)に合わせています。バージョンによってボタンのアイコンは変わる場合がありますが、名称と場所は近い構成になっています。
単語や文を罫線で囲む基本手順
ここでは、Word 文書内の任意の文字列を罫線で囲む手順を説明します。見出しやキーワードを囲む場合も同じ考え方で操作できます。
1. 囲みたい文字を準備する
まず、罫線で囲みたい文字を入力します。例として、「Word 文字を罫線で囲んで色を付ける」という文字列を 1 行に入力するケースを考えます。
- Word 文書を開き、罫線で囲みたい位置にカーソルを置く。
- 例として、Word 文字を罫線で囲んで色を付ける と入力する。
- 最後に Enter キーを押して、段落として確定する。
段落記号までが 1 単位になるため、この段落に罫線を適用すると、入力した文字列全体が囲まれます。
2. 段落に罫線を設定する
次に、段落全体を囲む罫線を設定します。ここでは、最も基本的な「外枠の罫線」を例にします。
- 先ほど入力した段落内をクリックし、段落全体を選択する。必要に応じて、行頭から行末までドラッグして選択してもよい。
- 画面上部のホーム タブをクリックする。
- 段落 グループ内にある罫線 ボタン(四角形の枠線アイコン)をクリックする。
- 表示された一覧から、枠なし 以外の適切な項目を選ぶ。文字列を囲みたい場合は、外枠 を選択すると、段落全体が四角形の罫線で囲まれる。
この段階では、罫線の色は標準設定(多くの場合は黒色)になっています。ここから線の色や太さを調整することで、見やすいデザインに整えることができます。
罫線の色や太さを変更する手順
罫線のデザインを調整する場合は、より詳細なダイアログを利用します。Word では、罫線の種類・色・太さなどをまとめて設定できます。
1. 詳細設定ダイアログを開く
- 罫線を変更したい段落を選択する。
- ホーム タブ → 段落 グループの罫線 ボタンの右側にある下向き三角形をクリックする。
- 一覧の一番下にある 線種とページ罫線と網かけの設定(または類似の名称)をクリックする。
すると、「罫線と網かけ」ダイアログが表示されます。このダイアログで、線の色や太さ、線種(実線・点線など)を調整できます。
2. 線の色を変更する
- 「罫線と網かけ」ダイアログで、罫線 タブを選択する。
- 右側にある設定欄の 色(または 線の色)から、使用したい色を選択する。
- 必要に応じて、線の太さ や 種類 も変更する。
- ダイアログ右下の 対象 が 段落 になっていることを確認する。
- プレビューで枠線の状態を確認し、問題なければ OK をクリックする。
これで、選択した段落を囲む罫線に色が付きます。たとえば、キーワードを目立たせたい場合は、落ち着いた青やグレーなどを選ぶと、視認性と読みやすさのバランスが取りやすくなります。
見出しやキーワードを読みやすく見せるコツ
罫線と色を組み合わせると、見出しやキーワードが強調されますが、強調しすぎると文書全体が読みづらくなる場合もあります。ここでは、実務文書で使いやすい設定の考え方をまとめます。
色と太さの選び方
- 色は 2〜3 色までに抑える
文書全体で使用する罫線の色を少数に絞ると、紙資料でも画面表示でも見やすくなります。 - 太さは 0.5pt〜1.5pt 程度から試す
細すぎると印刷時に目立ちにくく、太すぎると罫線だけが目立ちます。まずは標準的な太さで試し、必要に応じて微調整すると安定します。 - 文字サイズとのバランスを見る
見出しの文字が大きい場合はやや太めの線、本文と同じサイズの語句を囲む場合は細めの線にするなど、文字と線のバランスを意識します。
囲む範囲の整理
- キーワードだけを 1 行にまとめる
「Word 文字を罫線で囲んで色を付ける」のようなキーワードは、1 行の段落として独立させると、罫線の対象が分かりやすくなります。 - 見出しと本文を別の段落に分ける
見出しだけを罫線で囲み、本文は通常の段落にすることで、読み進めやすい構成になります。 - 余白を調整する
必要に応じて段落の上下余白(段落の前後の間隔)を調整すると、罫線で囲まれた部分が詰まり過ぎず、文書全体が整います。
よくあるつまずきと確認ポイント
罫線で文字を囲む際に、次のようなケースで戸惑うことがあります。事前にポイントを知っておくと、原因の切り分けが行いやすくなります。
- 一部しか囲まれないように見える
段落の途中で改行が入っていると、ユーザーの想定と異なる範囲に罫線が適用されることがあります。段落記号の位置を確認し、囲みたい範囲が 1 つの段落になっているかを確認します。 - 罫線が表示されない/薄く見える
線の色や太さが背景や印刷設定と合っていない場合、画面上で罫線が分かりにくいことがあります。線の色・太さ・表示倍率を確認し、必要に応じて設定を変更します。 - 表の罫線と混在している
表内の文字に対して段落の罫線を設定すると、表の罫線と重なって見える場合があります。表のセルを使って囲みたいのか、段落の罫線で囲みたいのかを整理したうえで、どちらかに統一します。 - 印刷時の見え方が異なる
画面表示と印刷結果で線の濃さが異なる場合があります。重要な資料では、実際にテスト印刷を行い、線の太さと色が読みやすいかを確認します。
Word で罫線と色を活用したレイアウトの例
最後に、「Word 文字を罫線で囲んで色を付ける」操作を活用した、具体的なレイアウト例をいくつか挙げます。実際の文書で試しながら、目的に合うスタイルを検討できます。
- ポイントまとめ枠
重要なポイントだけを 1 行の段落にまとめ、淡い色の罫線で囲むと、読み返しやすいポイント枠として機能します。 - 章タイトルの囲み
章や大きな項目のタイトルを囲み線で装飾し、その下に本文を配置すると、章の境目が視覚的に分かりやすくなります。 - 注意書きの強調
注意事項や補足情報を囲み線で囲み、色を変えることで、読み手が見落としにくいレイアウトにできます。ただし、赤色など強い色は必要な箇所に絞って使います。
まとめ
本記事では、「Word 文字を罫線で囲んで色を付ける」というキーワードを例に、Word の罫線機能を使って文字や段落を囲む方法を整理しました。ポイントは、段落単位で罫線が適用されることを意識しつつ、ホーム タブの 罫線 ボタンと、「罫線と網かけ」ダイアログを活用することです。
ユーザーの文書の目的に合わせて、罫線の色や太さ、囲む範囲を調整すると、情報のまとまりが伝わりやすくなります。まずは 1 つの文書で試しながら、自分の業務で使いやすいスタイルを見つけていくと、Word でのレイアウト作業が行いやすくなります。