【Word】表の計算式で合計や平均を求める方法

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今回は、Wordの表に用意されている計算式を使って、列や行の合計や平均を求める方法を紹介します。

見積書や集計表をWordで作っていると、表の中の数字を合計したい場面が出てきます。電卓で計算して手入力することもできますが、数字を直したときに合計の打ち直しが必要になり、転記ミスの原因にもなります。Wordの表には、Excelほど多機能ではないものの、基本的な計算を行う仕組みが備わっています。

この記事は、Microsoft 365のWord(Windows版・Mac版)を前提にしています。Web版のWordでは計算式を新しく追加する機能は提供されておらず、既存の計算式は保持される扱いです。Web版で作業している場合は、[編集]から[デスクトップ アプリで開く]を選び、デスクトップ版で操作してください。

Wordの表の計算式とは

Wordの表で使う計算式は、フィールドコードと呼ばれる仕組みの一種です。セルに計算式を入れると、計算結果の数値が表示されます。見た目は普通の数字ですが、中身は「計算の指示」なので、あとから更新して結果を計算し直せます。

計算式は、[テーブル レイアウト]タブの[データ]グループにある[計算式](環境によっては[数式]と表示)から挿入します。Excelのようにセルへ直接入力するのではなく、ダイアログボックスで式を指定するのが特徴です。

列や行の数値を合計する基本手順

もっともよく使うのは、列の一番下に合計を出すパターンです。手順は次のとおりです。

  1. 合計を表示したいセルをクリックします。セルに文字が入っている場合は、先に削除しておきます。
  2. [テーブル レイアウト]タブを開き、[計算式]を選びます。
  3. [計算式]ボックスに入っている式を確認します。列の下端のセルなら、多くの場合=SUM(ABOVE)が自動で入っています。
  4. [OK]を選ぶと、セルに合計が表示されます。

Wordは、選んだセルの位置から判断して式の候補を入れてくれます。ただし、候補が意図と違うこともあるので、[OK]を押す前にかっこの中身を確認する習慣をつけておくと安心です。

場所を表す引数(ABOVE・BELOW・LEFT・RIGHT)

かっこの中に入れる「ABOVE」などの単語は、計算の対象にするセルの方向を表しています。

  • ABOVE:計算式を入れたセルより上にあるセル
  • BELOW:計算式を入れたセルより下にあるセル
  • LEFT:計算式を入れたセルより左にあるセル
  • RIGHT:計算式を入れたセルより右にあるセル

たとえば、各行の右端に「行の合計」を出したいときは=SUM(LEFT)、表の一番下に「列の合計」を出したいときは=SUM(ABOVE)を使います。方向はカンマで組み合わせることもでき、=SUM(LEFT,ABOVE)のように指定すると、左側と上側の両方を対象にできます。

なお、場所の引数を使った計算では、見出し行の値は計算に含まれません。1行目に「単価」「数量」といった項目名を入れている表でも、そのまま使えます。

空のセルには0を入れておく

場所の引数を使って合計するときに注意したいのが、空白のセルです。Microsoftのサポート情報では、エラーを避けるために、計算の対象となる空のセルには0を入力しておくよう案内されています。途中に空白のセルがあると、意図した範囲まで計算されない場合があるため、「該当なし」の欄も0で埋めておくと結果が安定します。

平均・最大値・件数など他の関数を使う

計算式は合計だけではありません。[計算式]ダイアログの[関数貼り付け]から、ほかの関数を選べます。場所の引数(ABOVEなど)と組み合わせて使える関数は次のとおりです。

  • AVERAGE:平均値
  • COUNT:数値の個数
  • MAX:最大値
  • MIN:最小値
  • PRODUCT:かけ算(積)
  • SUM:合計

平均を出す手順は次のとおりです。

  1. 結果を表示するセルを選び、[テーブル レイアウト]タブの[計算式]を選びます。
  2. [計算式]ボックスの式を、先頭の「=」だけ残して消します。
  3. [関数貼り付け]の一覧から[AVERAGE]を選びます。
  4. かっこの中に「ABOVE」や「LEFT」など、対象の方向を入力して[OK]を選びます。

このほかにも、四捨五入のROUND、条件で値を切り替えるIF、絶対値のABSなどが用意されています。たとえば=ROUND(SUM(ABOVE),0)のように、関数を組み合わせることも可能です。

セル番地を指定して計算する

方向の指定では範囲が広すぎる、または狭すぎるという場合は、セル番地で範囲を指定できます。Wordの表も、Excelと同じように列をA、B、C…、行を1、2、3…と数えます。

  • =SUM(B2:B6):B列の2行目から6行目までを合計
  • =PRODUCT(B2:C2):2行目のB列とC列をかけ算

単価×数量の金額欄を作る場合は、行ごとに=PRODUCT(B2:C2)、=PRODUCT(B3:C3)…と指定すると、見積書のような表を組み立てられます。ただし、Wordの表では列名や行番号が画面に表示されないため、左上のセルをA1として数えることを意識してください。結合したセルがある表では番地の数え方が分かりにくくなるので、計算する表はなるべくセルを結合せずに作るのがコツです。

また、計算式を入れたセル自身は計算の対象になりません。参照範囲に含まれていても無視されるので、自分自身を足してしまう心配はありません。

結果を見やすくする表示形式

[計算式]ダイアログには、[表示形式]ボックスがあります。ここで数値の形式を選ぶと、計算結果に桁区切りのカンマを付けたり、小数点以下の桁数をそろえたりできます。金額の表なら、桁区切りの形式を選んでおくと読み取りやすくなります。表のほかの数字と書式をそろえておくと、合計欄だけ浮いて見えることを防げます。

数字を修正したら計算結果を更新する

Wordの計算式は、Excelのように入力のたびに自動で再計算されるわけではありません。計算結果が更新されるのは、計算式を挿入したときと文書を開いたときです。表の数字を書き換えたあとは、手動で更新する必要があります。

  • 1つの結果だけ更新する:計算結果を選んでF9キーを押します(Macでは環境によってfn+F9キー)。右クリックして[フィールド更新]を選ぶ方法もあります。
  • 表の中の計算式をまとめて更新する:表全体を選択してからF9キーを押します。
  • 文書全体を更新する:Ctrl+Aキーで全体を選択してからF9キーを押します。この場合、目次や相互参照など、計算式以外のフィールドも一緒に更新されます。

更新を忘れたまま印刷するのが心配な場合は、[ファイル]→[オプション]→[表示]の[印刷オプション]で、[印刷前にフィールドを更新する]をオンにしておくと、印刷時に更新されます(Windows版)。

どこが計算式か分からなくなったときは

計算結果は普通の数字と見分けがつきにくいため、あとから文書を見た人が手で数字を書き換えてしまうことがあります。Windows版では[ファイル]→[オプション]→[詳細設定]の[ドキュメント コンテンツの表示]にある[フィールド網かけ]を[常に]に設定すると、フィールドが灰色の背景で表示され、計算式の位置が分かりやすくなります。

Wordの計算式を使うときのコツ

  • [OK]の前にかっこの中を確認する:自動で入る式が意図した方向かどうかをチェックします。
  • 空欄は0で埋める:計算範囲の途中で集計が止まるのを防ぎます。
  • 計算する表はセルを結合しない:番地の数え方が分かりやすくなります。
  • 数字を直したらF9キー:表全体を選んでから更新すると、まとめて計算し直せます。
  • 複雑な集計はExcelに任せる:条件付きの集計や大量のデータを扱う場合は、Excelで計算して貼り付けるほうが管理しやすくなります。

まとめ

Wordの表では、[テーブル レイアウト]タブの[計算式]から、=SUM(ABOVE)や=AVERAGE(LEFT)のような式を入れて、合計や平均を求められます。方向を表す引数を使えば手軽に集計でき、範囲を細かく決めたいときはB2:B6のようにセル番地を指定します。

ポイントは、空白のセルに0を入れておくこと、そして数字を修正したらF9キーで更新することです。Web版では新しく追加できないため、デスクトップ版で作業しましょう。見積書や簡単な集計表をWordだけで仕上げたいときに、手計算の手間と転記ミスを減らす方法として役立ててみてください。