今回は、Word(ワード)を無料で使う3つの方法と有料版との違いを解説します。
基本的な機能だけ使いたい方から本格的に活用したい方まで、それぞれのニーズに合わせた選択肢を紹介します。
Wordは無料で使える?基本情報
結論から言うと、Microsoft Wordは無料版と有料版があり、用途に応じて選ぶことができます。パソコンにインストールされているWordは基本的に有料(※)ですが、Web版やスマホアプリ版は無料で利用可能です。
※購入時にPCにWordがプリインストールされている場合は、PCの購入代金にライセンス料が含まれています。
無料版のWordを使うには、主に以下の3つの方法があります:
- Web版Word(Word for the web)を使う
- スマホ・タブレット用のWordアプリを使う
- Microsoft 365の無料体験版を使う
Web版Word(Word for the web)の使い方
Web版Word(以前はWord Onlineと呼ばれていました)は、ブラウザ上で動作する無料のWord版です。基本的な文書作成・編集機能を備えています。
Web版Wordの特徴
- インターネット環境とMicrosoftアカウントがあれば無料で使用可能
- インストール不要でブラウザから直接アクセス
- クラウド上に自動保存されるため、データ消失のリスクが低い
- 複数人での共同編集が可能
- 基本的な文書作成・編集機能は使用可能
Web版Wordの利用手順
- Microsoftアカウントを用意する(持っていない場合は新規作成)
- Webブラウザで「Microsoft 365」のページにアクセスする
- 「無料でサインアップ」または「サインイン」を選択
- Microsoftアカウントでログイン
- アプリ一覧から「Word」を選択
Web版Wordは、シンプルなレポートや文書作成であれば十分な機能を備えています。ただし、高度な機能は制限されているため、本格的な業務利用には向いていません。
スマホ・タブレット用Wordアプリの使い方
スマートフォンやタブレットでも、専用アプリをダウンロードすることでWordを無料で使うことができます。
モバイル版Wordアプリの特徴
- iOS・Android両方に対応
- スマホでの文書閲覧・基本的な編集が可能
- Microsoftアカウントでログインすれば無料で使用可能
- 画面サイズが10.1インチ以下の端末なら編集も無料
- 大画面タブレット(10.1インチ超)での編集には有料サブスクリプションが必要
モバイル版Wordアプリのダウンロード・設定手順
- iOSの場合はApp Store、Androidの場合はGoogle Playで「Word」を検索
- Microsoft Wordアプリをダウンロード・インストール
- アプリを起動し、Microsoftアカウントでサインイン
- 必要に応じてプライバシー設定やデータ送信の可否を選択
- 新規文書の作成や既存文書の編集が可能になる
モバイル版Wordは外出先での急な文書確認や簡単な編集に便利ですが、長文入力や複雑なレイアウト作業には向いていません。
Microsoft 365無料体験版を活用する方法
より本格的にWordを使いたい場合は、Microsoft 365の無料体験版を利用する方法があります。
Microsoft 365無料体験版の特徴
- 1か月間、フル機能のWordを含むMicrosoft 365を無料で使用可能
- PC版Wordをダウンロードしてインストール可能
- 有料版と同等の全機能が利用可能
- Wordだけでなく、Excel、PowerPointなども使える
- 1TBのクラウドストレージ(OneDrive)も使用可能
Microsoft 365無料体験版の利用手順
- Microsoft公式サイトにアクセス
- 「Microsoft 365」の「無料で試す」を選択
- Microsoftアカウントでサインイン(持っていない場合は作成)
- 支払い情報を入力(※無料期間中にキャンセルすれば料金は発生しません)
- アプリケーションをダウンロードしてインストール
注意点:無料体験期間終了後は自動的に有料契約に移行するため、継続利用しない場合は期間内にキャンセルする必要があります。
無料版と有料版の違い
Wordの無料版と有料版には、機能面で大きな違いがあります。目的に応じて適切な選択をするためにも、それぞれの違いを理解しておきましょう。
機能面の比較
機能 | Web版Word(無料) | モバイルアプリ(無料) | Microsoft 365(有料) |
---|---|---|---|
基本的な文書作成・編集 | ○ | ○ | ○ |
高度なレイアウト機能 | △(制限あり) | △(制限あり) | ○ |
マクロ機能 | × | × | ○ |
オフライン使用 | × | △(一部可能) | ○ |
共同編集 | ○ | ○ | ○ |
テンプレート数 | △(限定的) | △(限定的) | ○(豊富) |
保存先 | OneDriveのみ | OneDriveが基本 | ローカル・OneDriveなど複数選択可 |
制限される主な機能
無料版Wordでは、以下のような機能が制限されています:
- 漢字に振り仮名をつける機能
- 複雑なページレイアウト設定
- 特殊な図形やSmartArtの一部
- 目次や索引の自動生成
- 高度な校正・参照ツール
- 印刷機能(モバイル版では制限が厳しい)
基本的な文書作成であれば無料版でも十分ですが、ビジネス文書や学術論文など本格的な利用には有料版がおすすめです。
2025年版:有料版Wordの価格
2025年8月現在、有料版Wordを利用する方法は主に2つあります:
1. サブスクリプション版(Microsoft 365)
- Microsoft 365 Personal:21,300円/年(単月利用なら2,130円/月)
- 常に最新バージョンを利用可能
- クラウドストレージ1TBが付属
- 複数デバイスでの利用が可能
- 2025年1月からAI機能(Copilot)が統合され価格改定実施
2. 永続版(買い切り型)
- Office Home & Business 2024:43,980円(2台のPCで利用可能)
- Office Home 2024:34,480円(2台のPCで利用可能)
- Word単体購入:22,370円(Microsoft公式サイト)
- 一度購入すれば追加料金なしで使い続けられる
- バージョンアップには再購入が必要
- サポート期限:2029年10月9日
利用頻度や目的に応じて、コストパフォーマンスの良い方を選びましょう。頻繁に使用する場合や常に最新機能を利用したい場合はサブスクリプション版、たまに使う程度なら永続版が適しています。
無料で使えるWord代替アプリ
Microsoft Word以外にも、無料で使える文書作成ソフトがあります。Word互換性のある主な代替アプリを紹介します。
Google ドキュメント
- Googleアカウントがあれば無料で使用可能
- ブラウザベースで使用できる
- Word形式(.docx)の読み込み・保存に対応
- リアルタイム共同編集が可能
- 自動保存機能あり
LibreOffice Writer
- 完全無料のオープンソースソフト
- PCにインストールして使用(オフライン作業可能)
- Word形式との互換性あり(一部レイアウトが崩れる場合も)
- マクロなどの高度な機能も利用可能
WPS Office
- 基本機能は無料で使用可能(一部広告あり)
- Microsoft Officeに近いインターフェース
- Word形式との高い互換性
- PC版・モバイル版両方が利用可能
完全無料でオフラインでも使いたい場合はLibreOffice Writerが、Googleサービスとの連携を重視するならGoogle ドキュメントがおすすめです。
無料版Wordを使う際の注意点
無料版Wordを使用する際は、以下の点に注意しましょう:
- インターネット環境が必須:Web版Wordはオフラインでは使用できません
- 機能制限:高度なレイアウト設定や一部の特殊機能が使えません
- 印刷制限:特にモバイル版では印刷機能に制限があることがあります
- 保存先の制限:基本的にOneDriveにしか保存できません
- 大画面デバイスでの制限:10.1インチ以上のタブレットでは編集に制限があります
- 無料体験の自動更新:Microsoft 365無料体験は自動的に有料契約に移行するため、必要に応じて解約手続きが必要です
まとめ:用途に合わせたWordの選び方
当記事では、Wordの無料版と有料版、それぞれの特徴を紹介しました。最後に、用途別におすすめの選択肢をまとめます:
- ちょっとした文書作成や編集がしたい:Web版Word(無料)
- 外出先で文書を確認・編集したい:モバイル版Wordアプリ(無料)
- 本格的な文書作成や高度な機能を使いたい:Microsoft 365または永続版Office
- オフラインでも無料で使いたい:LibreOffice WriterやWPS Office
- チームでの共同編集が必要:Web版WordまたはMicrosoft 365
無料版でも基本的な文書作成には十分な機能がありますが、より高度な機能が必要なら有料版の導入を検討してみてください。