Word(ワード)でレポートやブログ記事、ビジネス文書を作成している際、テキストを選択するたびにフワッと現れる小さなメニューバー。「ミニツールバー」と呼ばれるこの機能は、フォントサイズや文字色を素早く変更できる便利なツールです。
しかし、文章の推敲中に文字を選択しただけで表示され、テキストが隠れてしまったり、カーソル移動中に誤ってクリックしてしまうことがあるため、このミニツールバーを消したいというユーザーも多いようです。
今回は、このWordのミニツールバーを選択時に表示させないよう(非表示)にする設定方法を紹介します。また、ExcelやPowerPointなど他のOfficeアプリでの設定や、ミニツールバーを使わない場合の効率的な操作方法についても解説します。
Wordのミニツールバーとは?
ミニツールバーの機能と役割
ミニツールバーは、WordなどのMicrosoft Officeアプリケーションでテキスト範囲を選択した直後に、選択範囲の近くに半透明で表示されるツールバーです。マウスカーソルを近づけると実体化し、クリック操作が可能になります。
このバーには、以下のような頻繁に使用される書式設定コマンドが集約されています。
- フォントの種類(明朝体、ゴシック体など)の変更
- フォントサイズ(文字の大きさ)の変更
- 文字の拡大・縮小ボタン
- 書式のコピー・貼り付け
- 太字(Bold)、斜体(Italic)、下線(Underline)
- 文字の配置(左揃え、中央揃えなど)
- 文字色、蛍光ペン(ハイライト)
- インデントの調整
- 箇条書きの設定
通常、これらの操作を行うには画面上部の「リボン」までマウスを移動させる必要がありますが、ミニツールバーを使えば、手元(選択範囲のすぐそば)で操作が完結します。マウスの移動距離を減らし、作業効率を上げるために設計された機能です。
なぜ「邪魔」と言われるのか
効率化のための機能であるにもかかわらず、なぜ非表示にしたいと考えるユーザーが多いのでしょうか。主な理由は以下の通りです。
- 視界を遮る:選択した文字やその周辺の行にかぶさるように表示されるため、前後の文脈を確認しづらくなる。
- 誤操作の原因になる:次の行を選択しようとした際に、意図せずミニツールバーのボタンをクリックしてしまうことがある。
- チラつきが気になる:範囲選択のたびに表示・非表示が切り替わるため、視覚的なノイズになり集中力が削がれる。
設定を変えずに一時的に消す方法
もし、「普段は使っているけれど、今だけ消したい」という場合は、以下の方法で一時的に非表示にできます。
- キーボードの「Esc」キーを押す。
- または、マウスカーソルをミニツールバーから離れた場所に移動させる。
これでミニツールバーは消えますが、毎回Escキーを押すのが手間だと感じる場合は、次の手順で完全に自動表示をオフにすることをおすすめします。
Wordのミニツールバーを完全に消す(非表示にする)手順
それでは、テキスト選択時にミニツールバーが自動的に表示されないように設定を変更しましょう。この手順は、Word 2016、Word 2019、Word 2021、およびMicrosoft 365(旧Office 365)で共通です。
手順1:「ファイル」タブを開く
Wordの編集画面を開いた状態で、画面の左上にある「ファイル」タブをクリックします。これにより、Backstageビュー(ファイル管理画面)に切り替わります。
手順2:「オプション」を選択する
左側に表示される青い(またはグレーの)メニューバーの一番下にある「オプション」をクリックします。
※画面サイズによっては「その他…」の中に「オプション」が隠れている場合があります。
手順3:「全般」設定を確認する
「Wordのオプション」というダイアログボックス(設定画面)が開きます。
左側のメニューリストで、一番上の「全般」が選択されていることを確認してください。
※古いバージョンのWordでは「基本設定」という名称になっている場合がありますが、内容は同じです。
手順4:チェックを外す
画面の右側に表示される設定項目の中に、「ユーザーインターフェイスのオプション」というセクションがあります。
その一番上にある「選択時にミニツールバーを表示する」というチェックボックスを探します。
デフォルト(初期設定)ではここにチェックが入っています。このチェックをクリックして外して(空欄にして)ください。
手順5:設定を保存する
チェックを外したら、ダイアログボックスの右下にある「OK」ボタンをクリックして画面を閉じます。
これで設定は完了です。試しに文章中のテキストをドラッグして選択してみると、ミニツールバーが表示されなくなります。
ExcelやPowerPointでも同様の設定が可能
この「ミニツールバー」は、Wordだけでなく、Excel(エクセル)やPowerPoint(パワーポイント)、Outlook(アウトルック)など、他のOfficeアプリケーションにも搭載されています。
注意点として、Wordでこの設定を変更しても、他のアプリには反映されません。
例えば、Wordでミニツールバーを非表示にしても、Excelを開いてセルを選択したりテキストを編集すると、ミニツールバーが表示されます。
他のアプリでも非表示にしたい場合は、それぞれのアプリを開き、同様の手順で設定を行う必要があります。
- Excelの場合:「ファイル」>「オプション」>「全般」>「選択時にミニツールバーを表示する」のチェックを外す。
- PowerPointの場合:「ファイル」>「オプション」>「全般」>「選択時にミニツールバーを表示する」のチェックを外す。
手順はWordと同じです。すべてのOfficeアプリで統一した操作感にしたい場合は、それぞれ設定してみてください。
ミニツールバーを使わない場合の効率化テクニック
ミニツールバーを非表示にすると、「手元で素早く書式変更ができなくなって不便になるのでは?」と心配される方もいるかもしれません。しかし、代替となる操作方法(ショートカットキーなど)をマスターすれば、ミニツールバー以上に高速かつ快適に作業を行うことができます。
ここでは、ミニツールバーの代わりになる、覚えておくと便利な操作方法をいくつか紹介します。
1. ショートカットキーを活用する
ショートカットキーを覚えておくと、各操作をすばやく行うことができます。
- 太字にする:Ctrl + B
- 斜体にする:Ctrl + I
- 下線を引く:Ctrl + U
- フォントサイズを大きくする:Ctrl + ] (または Ctrl + Shift + >)
- フォントサイズを小さくする:Ctrl + [ (または Ctrl + Shift + <)
- コピー:Ctrl + C
- 貼り付け:Ctrl + V
- 書式のコピー・貼り付け:Ctrl + Shift + C (コピー)、Ctrl + Shift + V (貼り付け)
2. 右クリックメニュー(コンテキストメニュー)を使う
ミニツールバーの自動表示をオフにしても、マウス操作で書式変更を行いたい場合は、「右クリック」操作が便利です。
テキストを選択した状態で右クリックをすると、コンテキストメニュー(切り取り、コピーなどが並ぶメニュー)が表示され、このコンテキストメニューの上部に、ミニツールバーが表示されます。
今回紹介した設定変更は、「選択時(左クリックのドラッグ終了時)に自動で表示される機能」をオフにするもので、右クリックをしたときの表示は消えません。
そのため、「ミニツールバーは勝手に出てくるのは嫌だが、必要な時はマウスで操作したい」という場合に、「テキスト選択 → 必要な時だけ右クリック」をすれば、ミニツールバーを使うことができます。
よくある質問(FAQ)
Q. 設定を変更したのにミニツールバーが消えません。
A. いくつかの原因が考えられます。
- 右クリックしていませんか?:前述の通り、右クリック時のメニューにはミニツールバーが表示され続けます。これは仕様であり、通常の設定では消すことができません。
- OKボタンを押しましたか?:オプション画面でチェックを外した後、必ず右下の「OK」ボタンを押して保存する必要があります。右上の「×」ボタンで閉じてしまうと設定が反映されません。
- アプリを再起動してみる:稀に設定が即座に反映されない場合があります。一度Wordを終了し、再度起動して確認してみてください。
Q. 再び表示させたくなった場合は?
A. 同じ手順で「ファイル」>「オプション」>「全般」を開き、「選択時にミニツールバーを表示する」に再度チェックを入れて「OK」を押せば、元通り表示されるようになります。
まとめ
今回は、Wordでテキスト選択時に表示されるミニツールバーを非表示にする方法について解説しました。
- ミニツールバーは便利だが、視界を遮る・誤操作の原因になることがある。
- 「ファイル」>「オプション」>「全般」から設定可能。
- 「選択時にミニツールバーを表示する」のチェックを外すことで自動表示されなくなる。
- この設定はアプリごとに行う必要がある(ExcelやPowerPointも同様)。
- 設定をオフにしても、右クリックメニューには表示されるため、必要な時は右クリックで利用可能。
- ショートカットキー(Ctrl+Bなど)を併用すると、作業効率が上がる。
執筆環境での「小さなストレス」を取り除くことは、長時間の作業において重要です。
もしミニツールバーに煩わしさを感じているならば、この設定を試してみてください。