今回は、Excelで作成したグラフをテンプレートとして保存し、再利用する手順について紹介します。
グラフの書式設定を毎回行う手間
Excelで資料を作成する際、数値を視覚的に分かりやすく伝えるためにグラフを作成する機会は多いものです。
しかし、新しくグラフを挿入するたびに、色の変更やフォントの調整、軸の目盛り線の非表示など、細かい書式設定を繰り返すのは時間がかかります。
社内の規定や提出先の好みに合わせて、グラフのデザインを統一したい場面も少なくありません。
同じデザインを繰り返す作業の負担
グラフのデザインを整える作業には、以下のような項目が含まれることがあります。
- グラフのタイトルのフォントサイズや太字の設定
- データラベル(数値)の表示位置の調整
- 棒グラフや折れ線グラフの色をコーポレートカラーに変更
- 凡例(項目の説明)の位置を上下左右に移動
- 不要な枠線や背景色の削除
これらの設定を、新しいデータでグラフを作るたびに一からやり直すのは、効率的とは言えません。
作成したグラフをテンプレートとして保存する機能
Excelには、一度きれいに整えたグラフのデザインを「テンプレート」として保存しておく機能が備わっています。
この機能を使うことで、次から同じ種類のグラフを作る際に、保存したデザインを簡単に呼び出して適用することが可能になります。
グラフをテンプレートとして保存する手順
お好みのデザインに整えたグラフを、今後のために保存する手順をお伝えします。
- 基準となるグラフを選択して、右クリックします。
- 表示されるメニューの中から、「テンプレートとして保存」を選択します。
- 「グラフ テンプレートの保存」という画面が開きます。
- ファイル名を入力する欄に、後から見て分かりやすい名前を入力します。
- 「保存」ボタンをクリックします。
これで、グラフのデザインがテンプレートファイルとしてパソコン内に保存されます。
保存したテンプレートを使って新しいグラフを作成する
テンプレートを保存したら、別のデータを使って新しくグラフを作る際に、そのデザインを適用してみます。
テンプレートからグラフを新規作成する手順
新しいデータを選択した状態から、保存したテンプレートを呼び出す手順です。
- グラフにしたいデータの範囲を選択します。
- 画面上部の「挿入」タブを開き、「おすすめグラフ」またはグラフの右下にあるダイアログボックス起動ツールをクリックします。
- 「グラフの挿入」画面が開いたら、「すべてのグラフ」というタブを選択します。
- 左側のメニューの一番上にある「テンプレート」をクリックします。
- 先ほど保存したテンプレートのアイコンが表示されるので、それを選択して「OK」をクリックします。
これで、色やフォントなどの書式設定がすべて適用された状態の新しいグラフが完成します。
既存のグラフにテンプレートのデザインを適用する
すでに作成済みのグラフに対して、後からテンプレートのデザインを適用することもできます。
作成済みのグラフのデザインを変更する手順
既存のグラフの見た目を、保存してあるテンプレートのものにそろえたい場合の手順です。
- デザインを変更したいグラフを選択して、右クリックします。
- メニューから「グラフの種類の変更」を選択します。
- 「すべてのグラフ」タブを開き、左側の「テンプレート」を選択します。
- 適用したいテンプレートを選んで「OK」をクリックします。
データはそのままに、グラフの見た目だけがテンプレート通りに切り替わります。
見やすいグラフを作るための書式設定のヒント
テンプレートとして保存する前に、どのような書式設定をしておくと見やすいグラフになるのか、いくつか工夫のポイントを紹介します。
目盛り線をシンプルにする
Excelの初期設定では、横方向に細かい目盛り線が表示されることが多いです。
これらが多いと、グラフ全体がごちゃごちゃした印象を与えてしまうことがあります。
思い切って目盛り線を消すか、薄いグレーの点線に変更することで、主役であるデータの棒や線が引き立ちます。
データラベルを直接表示する
左側に表示される縦軸の数値を見るよりも、棒グラフの先端や折れ線グラフの点に直接数値を表示(データラベルの追加)したほうが、読み手に数値が伝わりやすくなります。
データラベルを表示した場合は、縦軸の数値は不要になることが多いので、縦軸を削除するとさらにすっきりとした見た目になります。
凡例の配置を工夫する
グラフの下部に小さく表示されることの多い凡例ですが、視線があちこち移動してしまう原因になります。
可能であれば、折れ線グラフの線の右端など、データと直接結びつく位置にテキストボックスで系列名を入力したり、凡例をグラフの右上など空いているスペースに移動させたりすると、直感的に分かりやすくなります。
テンプレートを管理・整理するコツ
いくつもテンプレートを作成していくと、どれがどのデザインか分からなくなることがあります。
使いやすく管理するための工夫を紹介します。
分かりやすい名前をつける
テンプレートを保存する際の名前の付け方がポイントになります。
「棒グラフ1」のような名前よりも、用途や特徴を含めた名前をつけると後から選びやすくなります。
- 【社内用】売上推移_折れ線
- 【クライアント向け】青系_円グラフ
- シンプル_枠線なし_棒グラフ
不要になったテンプレートを削除する
古くなって使わなくなったテンプレートは、一覧から削除して整理しておくことができます。
- 「挿入」タブから「すべてのグラフ」画面を開き、「テンプレート」を選択します。
- 画面の左下にある「テンプレートの管理」というボタンをクリックします。
- テンプレートが保存されているフォルダが開くので、不要なファイルを選んで削除します。
これで、Excelのテンプレート一覧からも表示されなくなります。
他のパソコンでテンプレートを使う方法
作成したグラフのテンプレートは、ファイルとして保存されているため、他の人と共有したり、別のパソコンに移動させたりすることも可能です。
テンプレートの保存場所を開く
テンプレートのファイルがどこに保存されているかを確認する手順です。
- 「挿入」タブから「すべてのグラフ」画面を開き、「テンプレート」を選択します。
- 左下の「テンプレートの管理」ボタンをクリックしてフォルダを開きます。
- 開いたフォルダの中にある目的のテンプレートファイルをコピーします。
別のパソコンにテンプレートを登録する
コピーしたテンプレートファイルを、共有フォルダやUSBメモリなどを経由して別のパソコンに持っていき、登録する手順です。
- 別のパソコンでExcelを開き、先ほどと同じように「テンプレートの管理」からフォルダを開きます。
- 開いたフォルダの中に、コピーしてきたテンプレートファイルを貼り付けます。
- Excelを一度閉じて再度開くか、グラフの挿入画面を開き直すと、テンプレートが追加されています。
この方法を使えば、チーム全体で同じグラフのデザインを共有して、資料の統一感を保つことができます。
テンプレートがうまく適用されない場合の確認ポイント
テンプレートを使った際に、意図した通りにグラフが作成されない場合の対処法です。
データの行列が逆転している場合
テンプレートを適用した直後に、縦軸と横軸の項目が逆になってしまうことがあります。
その場合は、グラフを選択した状態で「グラフのデザイン」タブを開き、「行/列の切り替え」をクリックすることで、正しい向きに修正できます。
特殊なグラフ要素が含まれている場合
テンプレートを作成した元のグラフに、手作業で追加した図形やテキストボックスが含まれている場合、それらの要素はテンプレートには保存されません。
テンプレートとして保存されるのは、あくまでグラフ自体の書式設定(色、フォント、線、データラベルの位置など)になります。
追加の図形などは、テンプレート適用後に再度配置する形になります。
グラフの種類が異なるデータを適用した場合
たとえば、円グラフのテンプレートを、複数の系列があるデータに適用しようとすると、一部のデータしか表示されないことがあります。
テンプレートは、元のグラフと同じ構造のデータに対して適用するのが基本となります。
グラフのテンプレートと「テーマ」機能の違い
Excelには、グラフのテンプレートのほかに、ファイル全体の色合いを統一する「テーマ」という機能もあります。
この2つの使い分けについて触れておきます。
「テーマ」機能の特徴
「ページレイアウト」タブにある「テーマ」や「配色」を変更すると、ファイル内のすべてのグラフや図形、セルの背景色などが一括で切り替わります。
これは、全体の色のトーンを合わせたい場合に便利な機能です。
しかし、グラフの細かい設定(データラベルの表示位置や線の太さなど)までは保存・適用できません。
「テンプレート」機能の強み
一方の「グラフのテンプレート」は、特定の一つのグラフに対する詳細な書式設定を丸ごと保存できます。
「この形の、この色の、このフォントサイズのグラフ」という具体的な完成形を使い回したい場合には、テンプレート機能が適しています。
用途に合わせて、ファイル全体の配色を変える「テーマ」と、個別のグラフの形を保存する「テンプレート」を使い分けると効率的です。
まとめ
Excelで作成したグラフをテンプレートとして保存して再利用する手順をお伝えしました。
一度時間をかけてきれいに整えたグラフの設定を保存しておくことで、次回からの作成にかかる手間を減らすことができます。
テンプレートから新規作成する方法や、既存のグラフに適用する方法を覚えると、資料作成のスピードが上がります。
また、テンプレートファイルを共有することで、チーム内で統一感のある見やすい資料を作る仕組みづくりにも役立ちます。
日々の業務で同じようなグラフを何度も作成している場合は、今回の手順を試してみるとよいでしょう。