【PowerPoint】セクションズームを活用したインタラクティブなプレゼンの作り方

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今回は、PowerPointのプレゼンテーションをより魅力的で洗練されたものにする「セクションズーム」機能の活用方法について紹介します。

セクションズームとは何か

PowerPointで長時間のプレゼンテーションを行う際、スライドが数十枚から百枚近くに及ぶことがあります。
通常のスライドショーでは、1枚目から順番にスライドを進めていく直線的な流れになりますが、途中で「前の話題に戻りたい」場合や、「質疑応答で特定のデータを見せたい」といった場合、目的のスライドを探すために何度も「戻る」ボタンを押さなければならず、スマートではありません。
このような課題を解決し、プレゼンテーションにダイナミックな動きを持たせるのが「セクションズーム」機能です。
セクションズームとは、スライド上に他のスライド(またはスライドのまとまりである『セクション』)の縮小版(サムネイル)を配置し、それをクリックすることで、そのセクションへとズームインしてジャンプできる機能です。
まるでWebサイトのメニュー画面から各ページに飛び、また元のメニューに戻ってくるような、非直線的(インタラクティブ)なプレゼンテーションを実現できます。

セクション機能との連携

この機能を最大限に活用するためには、まずプレゼンテーション全体を「セクション」で区切っておく必要があります。
セクションとは、複数のスライドを「第1章:現状分析」「第2章:課題」「第3章:解決策」といったテーマごとにグループ化して管理する機能です。
画面左側のサムネイル一覧(サムネイルペイン)で、区切りたいスライドの間を右クリックし、「セクションの追加」を選択して名前をつけることで、スライドをまとめることができます。
セクションズームは、この「セクションの先頭スライド」をサムネイルとして扱い、そこへの入り口となるリンクを自動で作成してくれます。

セクションズームの基本的な設定手順

実際にセクションズームを設定して、インタラクティブなメニュー画面(目次スライド)を作成する手順を解説します。

ズームリンク(サムネイル)の挿入

まずは、メニュー画面にしたいスライド(通常はタイトルスライドの次など、プレゼン全体の構成を示すスライド)を表示します。
リボンの「挿入」タブを開き、「リンク」グループの中にある「ズーム」をクリックし、「セクション ズーム」を選択します。
すると、「セクション ズームの挿入」というダイアログボックスが開き、現在ファイル内に設定されているすべてのセクションの先頭スライドが一覧で表示されます。
メニューに配置したいセクション(例えば、第1章から第3章までの3つ)のチェックボックスをオンにして「挿入」ボタンをクリックします。
これで、選択した3つのセクションのサムネイル画像が、現在のスライド上に重なって配置されます。

サムネイルのレイアウト調整

挿入された直後はサムネイルが重なっていたり、大きさが揃っていなかったりすることがあります。
通常の画像や図形と同じように、ドラッグして位置を移動させたり、四隅のハンドルを引っ張ってサイズを変更したりして、見栄えの良いメニュー画面になるようにレイアウトを整えます。
PowerPointのデザイン機能(デザインアイデアなど)を使えば、これらのサムネイルを等間隔に美しく並べる提案をしてくれることもあります。
また、サムネイルを選択した状態でリボンに表示される「ズーム」タブ(または「ズーム
ツール」)から、枠線をつけたり、影を落としたりといったデザインのカスタマイズも可能です。

セクションズームの動作と高度な設定

設定が完了したら、実際にスライドショーを実行して動きを確認します。
メニュー画面でサムネイルの一つをクリックすると、画面全体がそのスライドに向かってスムーズにズームイン(拡大)していくアニメーションが再生され、そのセクションのプレゼンが始まります。
そして、そのセクションの最後のスライドまで進んだ後、さらにクリックすると、再びズームアウト(縮小)して、元のメニュー画面に自動的に戻ってきます。
この「ズームインして、終わったら戻ってくる」という一連の動きが、セクションズームの最大の魅力です。

「ズームに戻る」機能のオン・オフ

デフォルトでは、セクションが終わると元のメニュー画面に戻る設定になっていますが、プレゼンの構成によっては「そのまま次のセクションへ進みたい(戻りたくない)」というケースもあります。
その場合は、メニュー画面のサムネイルを選択した状態で「ズーム」タブを開き、左側にある「ズームに戻る」のチェックボックスをオフにします。
これにより、ズームインしてセクションに入った後、そのまま次のセクションへと直線的にプレゼンが進行するようになります。
発表のスタイルに合わせて、戻るか進むかをセクションごとに制御することが可能です。

サムネイル画像の変更(アイコン化)

セクションズームで配置されるサムネイルは、デフォルトでは「そのセクションの先頭スライドの縮小画像」です。
しかし、スライドの縮小画像では文字が小さくて読めず、メニューのボタンとしてデザイン性に欠けると感じることがあります。
そのような場合は、サムネイルの画像を別の画像やアイコンに差し替えることができます。
サムネイルを選択し、「ズーム」タブの「画像の変更」をクリックして、パソコン内の画像ファイルや、PowerPoint内蔵のアイコンを選択します。
これにより、見た目はシンプルで美しいアイコンボタンでありながら、クリックすると該当のスライドへズームインする、という非常に洗練されたメニュー画面を作成できます。

セクションズームを活用する効果的なシーン

セクションズームは単なる視覚効果にとどまらず、プレゼンテーションの進行自体を柔軟にする強力なツールです。

相手の関心に合わせた柔軟なプレゼン

例えば、自社製品の複数の機能を説明する営業プレゼンにおいて、顧客が「セキュリティ機能について先に聞きたい」と希望したとします。
従来のスライドショーであれば、セキュリティのページまで何十枚もスライドを飛ばさなければなりませんでしたが、セクションズームで作ったメニュー画面があれば、顧客の要望に合わせて「セキュリティ」のアイコンをクリックするだけで、即座にそのセクションから説明を始めることができます。
説明が終われば再びメニューに戻るため、次に「コスト削減効果」について話すなど、順番に縛られない双方向のコミュニケーションが可能になります。
時間がないときは重要でないセクションを丸ごとスキップするなど、状況に応じた臨機応変な対応を強力にサポートしてくれます。

まとめ

PowerPointの「セクションズーム」機能を活用して、プレゼンテーションにダイナミックな動きと柔軟性を持たせる方法について解説しました。
「挿入」タブからセクションズームを選ぶだけで、各セクションへの入り口となるサムネイル付きのインタラクティブなメニュー画面を簡単に作成できます。
クリックでズームインし、終わればズームアウトして元の画面に戻ってくるアニメーションは、聞き手を惹きつける高い演出効果があります。
「ズームに戻る」設定の変更や、サムネイル画像をアイコンに差し替えるといったカスタマイズを行うことで、さらに洗練された資料へと進化します。
順番通りに話すだけの直線的なプレゼンから脱却し、相手の反応や持ち時間に合わせて自由に構成を組み替えられる、プロフェッショナルなプレゼンテーションに挑戦してみてはいかがでしょうか。