今回は、Wordで文章を作成する際に、キーボードからは直接入力できない「特殊文字」や「記号」を効率的に挿入する方法について紹介します。
Wordにおける特殊文字と記号の入力とは
Wordで企画書やマニュアル、学術的なレポートを作成していると、日常会話ではあまり使わないような様々な記号が必要になる場面に直面します。
例えば、著作権を示す「©(コピーライト)」マークや、登録商標を示す「®(レジスタード)」マーク、数式で使う「±(プラスマイナス)」や「÷(割る)」、あるいは「㎡(平方メートル)」のような単位の記号などです。
「まる」と入力して変換したり、「きごう」と入力して変換候補のリストを延々と探し回ったりする方法もありますが、これでは目的の記号を見つけるまでに膨大な時間がかかり、入力作業の大きなストレスとなります。
Wordには、このようなキーボードに印字されていないあらゆる文字や記号を、一覧表から探して簡単に入力できる専用の機能が備わっています。
この機能を活用すれば、変換辞書に頼ることなく、世界中の言語の文字や特殊な記号を正確に文書に組み込むことが可能になります。
記号と特殊文字のダイアログボックスの役割
Wordで記号を入力するためのメインとなるツールが、「記号と特殊文字」ダイアログボックスです。
このダイアログボックスは、パソコンにインストールされているフォント(文字のデザイン)が持っている何万種類もの文字や記号のデータを、種類ごとに分類して一覧表示してくれる機能を持っています。
フォントの中には、通常のひらがなや漢字だけでなく、トランプのマーク(♠♥♦♣)や、電話のマーク(☎)、矢印(➔➡)、ローマ数字(Ⅰ, Ⅱ,
Ⅲ)など、非常に多様なデザインの記号が含まれており、ここから選ぶだけで瞬時に文書に挿入できます。
記号と特殊文字を挿入する基本的な手順
実際にダイアログボックスを開き、目的の記号を探し出して文書に挿入する手順を解説します。
リボンからのダイアログボックス呼び出し
記号を挿入したい場所にカーソルを合わせます。
リボンの「挿入」タブを開き、右端にある「記号と特殊文字」というアイコンをクリックします。
すると、最近使用した記号がいくつかドロップダウンメニューとして表示されます。
この中に目的の記号があればクリックするだけで挿入完了ですが、ない場合はメニューの一番下にある「その他の記号」を選択します。
「記号と特殊文字」ダイアログボックスが開き、「記号と特殊文字」タブと「特殊文字」タブの2つが表示されます。
フォントと種類の選択で絞り込む
「記号と特殊文字」タブの画面には、アルファベットや記号がぎっしりと並んだ一覧表(文字コード表)が表示されています。
目的の記号を素早く探すためのポイントは、上部にある「フォント」と「種類」の2つのプルダウンメニューを活用することです。
- フォント:
デフォルトでは「(現在選択されているフォント)」になっています。これを「Arial」や「Times New
Roman」などに変更すると、表示される記号のデザインが変わります。特に絵文字のようなイラスト風の記号(電話、ハサミ、飛行機など)を探したい場合は、ここを「Webdings」や「Wingdings」という特殊なフォントに変更します。 - 種類:
フォントが「(現在選択されているフォント)」などの日本語フォントになっている場合、右側に「種類」というプルダウンメニューが現れます。ここから「通貨記号(¥や$など)」「数学記号(±や≧など)」「矢印」「囲み英数字(丸付き数字など)」といったカテゴリーを選択すると、一覧表がその種類の記号の場所まで一気にジャンプし、探す手間が大幅に省けます。
目的の記号(例えば「©」)を見つけたら、それをクリックして選択状態にし、右下の「挿入」ボタンをクリックします。
ダイアログボックスは開いたままなので、続けて別の記号を探して挿入することもでき、終わったら「閉じる」ボタンを押して画面に戻ります。
よく使う記号をさらに素早く入力するテクニック
ダイアログボックスを開いて探すのは確実な方法ですが、何度も同じ記号を入力する場合は、ショートカットキーや自動補正機能を活用した方が圧倒的に早く入力できます。
ショートカットキーの確認と割り当て
「記号と特殊文字」ダイアログボックスで記号を選択した際、画面の下の方に「ショートカットキー」という項目が表示されていることがあります。
例えば「©」を選択すると、「ショートカットキー: Alt+Ctrl+C」と表示されています。
これは、文書の編集中にキーボードで「Alt」キーと「Ctrl」キーを押しながら「C」キーを押せば、ダイアログボックスを開かなくても一発で「©」が挿入されることを意味しています。
よく使う記号にショートカットキーが設定されていない場合は、ダイアログボックス下部の「ショートカットキー」ボタンをクリックし、自分が使いやすいキーの組み合わせ(例:Ctrl+Shift+Aなど)を新しく割り当てて登録することも可能です。
オートコレクト機能による自動変換
Wordには「オートコレクト」という、入力ミスを自動的に修正したり、特定の文字列を記号に置き換えたりする機能が標準で備わっています。
実は、「©」や「®」などの代表的な特殊文字は、このオートコレクトにあらかじめ登録されています。
文書上で、半角のカッコを使って「(c)」と入力してみてください。
最後尾の「)」を入力した瞬間に、3つの文字が自動的に一つの「©」マークに変換されます。
同様に、「(r)」と入力すれば「®」になり、「(tm)」と入力すれば「™(トレードマーク)」に変換されます。
「記号と特殊文字」ダイアログボックスの下部にある「オートコレクト」ボタンをクリックすると、この自動変換のリスト(例えば「–>」と入力すると「➔」になるなど)を確認したり、自分がよく使う独自の変換ルール(「かぶ」と入力したら「㈱」になるなど)を追加登録したりすることができ、入力スピードを劇的に高めることができます。
まとめ
Wordでキーボードにない特殊文字や記号を効率的に入力する方法について解説しました。
「挿入」タブの「記号と特殊文字」からダイアログボックスを開き、「フォント」や「種類」のプルダウンメニューを使って目的の記号を絞り込むのが確実な探し方です。
「Wingdings」などのフォントに隠された絵文字のような記号を活用すれば、文書のアクセントやワンポイントイラストとして表現の幅が広がります。
また、頻繁に使う記号については、ダイアログボックスで探すだけでなく、表示されているショートカットキー(Alt+Ctrl+Cなど)を覚えたり、「(c)」と入力するオートコレクト機能を活用したりすることで、タイピングの流れを止めずに瞬時に挿入できるようになります。
変換候補を探し回るストレスから解放され、目的に合った記号をスムーズに使いこなすための強力なツールとして取り入れてみてはいかがでしょうか。