【Word】契約書の承認フローを整える作り方

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今回は、Wordで契約書の承認フローを整える作り方を紹介します。

契約書は編集と確認の流れを分けて考える

契約書をWordで作成するときは、文章を整える作業と、関係者が確認する作業を分けて設計すると扱いやすくなります。本文を直す人、法務の観点で確認する人、最終承認をする人が同じファイルを触る場合、どこが変更されたのか分からなくなると確認に時間がかかります。
契約書の承認フローでは、変更履歴、コメント、ファイル名の付け方をそろえることが大切です。Wordの機能を使って編集の跡を残しておけば、修正内容を後から確認しやすくなります。

ファイル名に状態を入れる

承認中の契約書は、同じような名前のファイルが増えがちです。ファイル名には案件名、版数、状態を入れておくと、どのファイルを確認すればよいか迷いにくくなります。

使いやすいファイル名の例

  • 契約書_取引先名_v01_作成中.docx
  • 契約書_取引先名_v02_法務確認中.docx
  • 契約書_取引先名_v03_承認依頼.docx
  • 契約書_取引先名_v04_締結版.docx

日付だけで管理すると、同じ日に複数回修正したときに判断しにくくなります。版数を入れておくと、やり取りの順番が分かります。締結版は編集用ファイルと区別し、後から誤って上書きしないようにします。

変更履歴を使って修正点を残す

契約書の文言を直すときは、変更履歴をオンにしてから編集します。削除した文、追加した文、書式の変更が残るため、確認者は差分を見ながら判断できます。
変更履歴を使うときは、修正を始める前に全員でルールを合わせます。たとえば、誤字の修正はそのまま反映し、条項の意味が変わる修正にはコメントを付ける、といった運用です。
変更履歴は、誰が何を直したかを残すための機能です。修正理由まで残したい場合は、コメントと組み合わせます。

コメントは判断が必要な場所に絞る

コメントを多く入れすぎると、読む側がどれを処理すべきか分かりにくくなります。契約書では、確認してほしい論点、選択肢、相手先へ確認する事項にコメントを使うと整理しやすくなります。

コメントに書くとよい内容

  • 修正した理由
  • 承認者に判断してほしい点
  • 相手先へ確認する質問
  • 社内ルールとの関係
  • 次に対応する人の名前

コメントには、結論が出たら返信や解決済みの状態を使います。未処理のコメントだけが残るようにすると、確認漏れを減らせます。

承認前に比較機能で差分を確認する

複数の版がある場合は、Wordの比較機能を使うと、前の版からどこが変わったかを確認できます。相手先から戻ってきたファイルをそのまま受け取るのではなく、自社の版と比較して差分を見ます。
比較結果では、本文の変更、挿入、削除を確認できます。条番号、金額、期間、責任範囲など、契約の意味に関わる部分は特に注意して確認します。
承認前の比較は、見落としやすい小さな文言変更を確認するための手順です。目で読み直すだけでなく、機能を使って差分を見ると判断しやすくなります。

最終版は編集できる版と分ける

承認が終わった契約書は、編集用のWordファイルと、提出用のPDFを分けて保存します。Wordファイルは社内保管用、PDFは締結や共有用として扱うと、誤編集のリスクを抑えられます。
必要に応じて、Word文書には読み取り専用の設定やパスワード保護を使います。ただし、パスワードの管理方法も決めておかないと、後で開けなくなる可能性があります。保護設定は便利ですが、運用ルールと一緒に考えることが大切です。

社内確認用のチェック欄を用意する

契約書の承認フローでは、本文の内容だけでなく、確認した項目を残す欄も役立ちます。Wordの末尾に確認表を入れておくと、誰がどの観点で確認したかを整理できます。確認表は本文とは別のページにし、締結時に不要であれば削除できる形にしておくと扱いやすくなります。

確認表に入れる項目

  • 確認者名
  • 確認日
  • 確認範囲
  • 修正の有無
  • 未確認事項
  • 承認可否

確認表を作るときは、項目を増やしすぎないようにします。契約金額、契約期間、解除条件、秘密保持、損害賠償、支払条件など、社内で必ず確認する観点を先に決めておくと、レビューの質がそろいます。
承認フローを安定させるには、確認した事実と未確認の論点を分けて残すことが重要です。未確認事項があるまま承認済みにしないよう、コメントや確認表で状態を見える形にします。

相手先へ戻す前の整え方

相手先へ契約書を戻す前には、変更履歴の表示状態、コメントの残し方、ファイル形式を確認します。社内向けのメモがコメントに残っていると、意図しない情報共有につながります。社外へ送るファイルには、相手に見せる必要があるコメントだけを残します。
ファイルを送る前に、文書内の個人情報やプロパティも確認します。Wordの情報画面からドキュメント検査を使うと、作成者情報や隠しデータを確認できます。すべてを削除すればよいわけではありませんが、社外共有前の確認項目として習慣にしておくと安心です。

差し戻し時のルールを決める

承認者から差し戻しがあった場合は、どの版を直すのかを明確にします。古い版を修正すると、すでに反映した内容が戻ってしまうことがあります。差し戻しコメントを受けたら、最新版に修正を入れ、版数を進めて保存します。
差し戻し理由も残しておくと、同じ修正が繰り返されにくくなります。コメント欄に理由を残す方法でも、確認表に記録する方法でも構いません。重要なのは、修正した内容と判断の経緯が追えることです。

まとめ

Wordで契約書の承認フローを整えるには、ファイル名、変更履歴、コメント、比較、最終版の扱いをセットで決めておくことが重要です。作成中、確認中、承認依頼、締結版の状態を分けると、関係者が迷いにくくなります。
変更履歴は修正点を残し、コメントは判断が必要な場所に絞って使います。承認前には比較機能で差分を確認し、最終版は編集用ファイルと提出用ファイルを分けて保存します。契約書は内容だけでなく、確認の流れまで整えることで、社内外のやり取りを進めやすくなります。