今回は、ExcelのHYPERLINK関数を使って、ブックの中の別シートやセルへ移動するシート内リンクを作る方法を紹介します。シートが多いブックで目次を作りたいときや、集計表から明細へすぐに移動したいときに役立つ内容です。操作説明は、Windows版のExcel(Microsoft 365)を前提にしています。Web版のExcelでは使える範囲が異なるため、該当箇所で補足します。
HYPERLINK関数の基本
HYPERLINK関数は、クリックすると指定した場所へ移動するリンクをセルの中に作る関数です。移動先には、同じブック内のセルのほか、別のブック、ネットワーク上のファイル、Webページなどを指定できます。
書式は次のとおりです。
- =HYPERLINK(リンク先, [別名])
- リンク先:移動先の場所を文字列で指定します。必須の引数です。
- 別名:セルに表示する文字列や数値を指定します。省略すると、リンク先の文字列がそのまま表示されます。
[挿入]タブの[リンク]からもハイパーリンクは作れますが、HYPERLINK関数を使うと、リンク先を数式で組み立てられるのが特長です。シート名の一覧からまとめてリンクを作るといった使い方ができます。
同じブック内のセルへ移動するリンクを作る
同じシートのセルへ移動する
同じシートの別のセルへ移動するリンクは、リンク先の先頭に「#」を付けてセル番地を指定します。
- =HYPERLINK(“#A100”, “表の末尾へ移動”)
縦に長い表で、表の末尾や入力欄、注意事項の位置へすぐに移動したいときに便利です。
別のシートのセルへ移動する
同じブックの別シートへ移動する場合は、「#シート名!セル番地」の形で指定します。
- =HYPERLINK(“#Sheet2!A1”, “Sheet2へ移動”)
シート名にスペースや一部の記号が含まれる場合は、シート名を半角の単一引用符(‘)で囲みます。
- =HYPERLINK(“#’4月 売上’!A1”, “4月売上へ移動”)
引用符で囲む必要があるかどうか迷う場合は、別のセルで「=」を入力してから目的のシートのセルをクリックし、数式バーに表示される参照の形を確認すると参考になります。
名前付き範囲へ移動する
移動先のセルや範囲に名前を定義しておくと、セル番地の代わりに名前を指定できます。名前は、対象のセル範囲を選択し、数式バーの左端にある名前ボックスに入力してEnterキーを押すと定義できます。
- =HYPERLINK(“#集計表”, “集計表へ移動”)
行や列の挿入で表の位置がずれても、名前の参照範囲は自動で調整されるため、セル番地を直接書くよりリンク切れが起きにくくなります。
シート内リンクで目次シートを作るコツ
シートが増えてくると、シート見出しを左右にスクロールして目的のシートを探す手間がかかります。先頭に目次シートを用意し、HYPERLINK関数で各シートへのリンクを並べておくと、移動が楽になります。
シート名の一覧からリンクを作る
A列にシート名を入力しておき、B列でリンク先を組み立てる方法が便利です。たとえば、A2にシート名が入っている場合、B2に次のように入力します。
- A列に、リンクしたいシートの名前を1行ずつ入力します。
- B2に「=HYPERLINK(“#'”&A2&”‘!A1”, A2)」と入力します。
- B2の数式を下方向にコピーします。
シート名を単一引用符で囲む形にしておくと、スペースを含むシート名にも対応できます。シートを追加したときは、A列にシート名を追記して数式をコピーするだけで目次を更新できます。
各シートに「目次へ戻る」リンクを置く
目次から各シートへ移動できるようにしたら、各シートの左上などに「目次へ戻る」リンクを置いておくと、行き来がスムーズになります。
- =HYPERLINK(“#目次!A1”, “目次へ戻る”)
リンクの位置を各シートでそろえておくと、使う人が迷いにくくなります。
リンク先を別のセルで管理する
リンク先の文字列は、数式の中に直接書くだけでなく、セル参照で指定することもできます。複数のリンクが同じリンク先を使う場合は、リンク先を1つのセルにまとめておき、そのセルを参照するようにしておくと、変更が必要になったときにそのセルを書き換えるだけで済みます。
- =HYPERLINK($Z$1, “参照資料を開く”)
共有フォルダーの場所が変わる可能性があるファイルへのリンクなどで、この方法が役立ちます。
リンクを扱うときの注意点とTips
リンクを開かずにセルを選択する
HYPERLINK関数が入ったセルをクリックすると、リンク先へ移動してしまいます。数式を編集したいときは、セルをクリックしてマウスボタンを押したままにし、ポインターが十字の形に変わってから離すと、移動せずにセルを選択できます。方向キーでセルを選択する方法も手軽です。
リンク先の変更は数式を編集する
HYPERLINK関数で作ったリンクの移動先を変えたい場合は、[ハイパーリンクの編集]ダイアログではなく、数式バーで数式そのものを編集します。
移動先が存在しない場合
指定したシートやセル、ファイルが存在しない、または移動できない場合は、クリックしたときにエラーが表示されます。シート名を変更したときは、目次のシート名も合わせて修正しておくと、リンク切れを防げます。
リンクを解除して文字だけ残す
リンクの機能は不要で、表示されている文字だけを残したい場合は、セルをコピーして値として貼り付けます。数式が値に置き換わり、リンクではなくなります。
リンクの見た目をそろえる
ブック内のリンクの文字書式は、[ホーム]タブの[セルのスタイル]にある「ハイパーリンク」スタイルを変更すると、まとめて調整できます。目次の見た目を整えたいときに使える方法です。
Web版のExcelで使う場合の注意
Web版のExcelでは、HYPERLINK関数のリンク先として使えるのはWebアドレス(URL)のみです。今回紹介した「#シート名!セル番地」の形のシート内リンクを使いたい場合は、デスクトップ版のExcelで操作するようにしてください。共有したブックを閲覧する人がWeb版を使う可能性がある場合は、その点も考慮してリンクの作り方を選ぶとよいでしょう。
まとめ
ExcelのHYPERLINK関数を使うと、シートの多いブックでも目的の場所へすぐに移動できるシート内リンクを作れます。ポイントを整理すると次のとおりです。
- 同じシートのセルへは「#A100」、別シートへは「#シート名!A1」の形で指定する
- スペースを含むシート名は単一引用符で囲む
- 名前付き範囲を使うと、表の位置が変わってもリンクがずれにくい
- シート名の一覧と組み合わせると、目次シートを効率よく作れる
- リンク先の変更は数式を編集し、解除したい場合は値として貼り付ける
- Web版のExcelではURLへのリンクのみ使える
目次シートと「目次へ戻る」リンクを用意しておくだけでも、ブックの使い勝手は変わります。シートが増えてきたブックから取り入れてみてください。