今回は、Wordに挿入した画像を圧縮して、ファイル全体を軽量化する工夫について紹介します。
Wordのファイルサイズが大きくなる主な原因
文書を作成している中で、いつの間にかファイルのデータ量が膨らんでしまうことがあります。
その原因の多くは、文書内に挿入された写真やイラストなどの画像データにあります。
スマートフォンのカメラが高性能になったことで、撮影した写真だけでも数メガバイトのサイズになることが珍しくありません。
そうした写真をそのまま何枚も貼り付けると、Wordファイルのサイズも比例して大きくなっていきます。
ファイルサイズが大きいことによる影響
ファイルが重くなると、日々の業務にいくつか不便な点が生じることがあります。
- メールに添付して送る際、容量制限に引っかかって送信エラーになる
- ファイルを開いたり保存したりする動作に時間がかかり、待ち時間が増える
- スクロールや文字入力の動作が重くなり、スムーズに編集しにくくなる
- 共有サーバーやクラウドストレージの容量を圧迫してしまう
このような状況を避けるために、画像を適切なサイズに圧縮して軽量化することが役立ちます。
Wordに備わる「図の圧縮」機能の基本
Wordには、特別なソフトを使わなくても、文書内の画像を簡単に圧縮できる機能が標準で用意されています。
この機能を活用することで、見た目の劣化を抑えながらデータ量を効果的に減らすことが可能です。
特定の画像だけを選んで圧縮する手順
一部の大きな画像だけを軽くしたい場合の手順をお伝えします。
- 文書内に挿入した画像の中から、圧縮したいものをクリックして選択します。
- 画面上部のメニューに「図の形式」というタブが表示されるので、それを開きます。
- 「調整」グループの中にある「図の圧縮」というアイコンをクリックします。
- 設定画面が表示されたら、「この画像だけに適用する」の項目にチェックを入れます。
- 「解像度」の選択肢から用途に合うものを選び、「OK」をクリックします。
これで、選択した写真のデータ量だけを減らすことができます。
文書内のすべての画像を一括で圧縮する手順
たくさんの画像が挿入されている資料の場合は、一つずつ設定するのは手間がかかります。
文書内のすべての画像を一度にまとめて圧縮する方法が便利です。
- 文書内のいずれか1つの画像をクリックし、「図の形式」タブから「図の圧縮」画面を開きます。
- 「この画像だけに適用する」のチェックを外します。
- 希望する解像度を選択して「OK」をクリックします。
この操作によって、ファイルに含まれるすべての画像に同じ圧縮率が適用され、まとめて軽量化を図ることができます。
圧縮時の「解像度」の選び方の目安
「図の圧縮」画面では、いくつか解像度の選択肢が表示されます。
どれを選べばよいか迷う場合の目安をご紹介します。
印刷して配る資料の場合:印刷(220 ppi)
会議の資料など、紙に印刷して文字や図表をきれいに読んでもらいたい場合には、「印刷(220 ppi)」を選ぶのが適しています。
ある程度の画質が保たれるため、印刷したときにも画像が粗くなりにくい状態になります。
パソコンの画面で見る資料の場合:Web(150 ppi)
プロジェクターでの投影や、パソコンの画面上で読むマニュアルなどの場合は、「Web(150 ppi)」を選ぶとバランスが取れます。
画面で見る分には十分なきれいさを保ちつつ、ファイルサイズを抑えることができます。
メールに添付して送る場合:電子メール(96 ppi)
画質よりもファイルサイズを小さくすることを優先したい場合や、メールの添付ファイルとして手軽に送りたい場合は、「電子メール(96 ppi)」を選びます。
データ量が小さくなる設定なので、容量制限の厳しい環境でのやり取りに役立ちます。
画像のトリミングと組み合わせた軽量化のテクニック
画像を切り抜く「トリミング」の機能も、ファイルサイズの削減に活用できます。
トリミングした隠れ領域のデータを削除する
Wordで画像の不要な部分をトリミングしても、見えなくなった部分のデータはファイル内に保持されています。
これは、後からトリミングをやり直せるようにするための仕様ですが、データ量を減らす観点からはもったいない状態です。
圧縮機能を使う際に、この隠れたデータを消去することができます。
隠れ領域を削除する設定手順
- 画像を選択し、「図の形式」タブから「図の圧縮」画面を開きます。
- 図のトリミング部分を削除するという項目にチェックを入れます。
- 用途に合った解像度を選び、「OK」をクリックします。
この設定を行うことで、画面に表示されていない部分のデータがファイルからなくなり、より軽量な状態になります。
保存時の自動圧縮による意図しない画質低下を防ぐ
Wordは初期設定で、ファイルを保存する際に画像を自動的に圧縮するようになっていることがあります。
ファイルサイズを抑えるという点では便利ですが、商品の写真など、高画質を保ちたい画像まで粗くなってしまうケースがあります。
画像の自動圧縮を無効にする設定
高解像度のまま保存しておきたい文書の場合は、以下の手順で自動圧縮をオフにしておくと安心です。
- 画面左上の「ファイル」タブを開き、下部にある「オプション」をクリックします。
- 「Word のオプション」という画面が開いたら、左側のメニューから「詳細設定」を選択します。
- 画面を少し下にスクロールし、「イメージのサイズと画質」というセクションを探します。
- ファイル内のイメージを圧縮しないという項目にチェックを入れます。
- 右下の「OK」をクリックして設定を完了します。
この設定をしておけば、保存ボタンを押すたびに画質が下がるのを防ぐことができます。
Wordに貼り付ける前のひと工夫
Wordの機能で圧縮する以外にも、元の画像データ自体を軽くしてから貼り付けるというアプローチがあります。
画像編集ソフトでサイズを縮小する
高画質なカメラで撮った写真は、そのままではWordの用紙サイズに対して大きすぎることが多いです。
Windowsに標準で付属している「ペイント」や、その他の画像編集ソフトを使って、あらかじめ画像のピクセル数(縦横のサイズ)を小さくしておきます。
適切なサイズにしてからWordに挿入することで、ファイルが重くなるのを根本から防ぐことができます。
スクリーンショットを撮って貼り付ける
写真の精密さにそれほどこだわらない場合は、パソコンの画面に写真を表示させ、その画面をスクリーンショット(キャプチャ)して貼り付けるという方法もあります。
スクリーンショットの画像は、元の写真データよりもデータ量が小さくなる傾向があるため、手軽な軽量化の裏技として活用できます。
画像のファイル形式を見直す
画像にはいくつかのファイル形式があり、それぞれデータ量に違いがあります。
一般的な写真であれば、「JPEG(.jpg)」形式を選ぶと、比較的データ量が小さく収まります。
一方で、「PNG(.png)」形式は背景を透明にできる利点がありますが、写真のような複雑な画像だとデータ量が大きくなりやすい性質があります。
用途に合わせて、挿入する画像の形式を選ぶのも一つの工夫です。
ファイルをPDF形式で保存して軽くする
Wordファイルとしての編集作業が終わり、誰かに読んでもらうだけであれば、PDF形式で保存することでファイルサイズを小さくできることがあります。
PDF保存時にサイズを最適化する手順
PDFとして保存する際の設定で、データ量を抑えることができます。
- 「ファイル」タブから「名前を付けて保存」を選びます。
- 保存する場所を指定した後、「ファイルの種類」のドロップダウンリストから「PDF」を選択します。
- 保存画面の下のほうにある「最適化」という項目で、「最小サイズ(オンライン発行)」を選択します。
- 「保存」ボタンをクリックします。
こうすることで、画面での閲覧やメール送信に適した、軽量なPDFファイルを作成できます。
画像の圧縮がうまくいかない場合の対処法
設定を試してもファイルサイズが期待通りに小さくならない場合、いくつかの理由が考えられます。
元の画像がすでに十分に軽い
Wordに挿入した画像が、最初からWeb用に最適化されていたり、サイズが小さかったりする場合、Word上で圧縮をかけてもデータ量はほとんど変わりません。
この場合は、それ以上画像を軽くすることは難しいため、画像以外の部分(フォントの埋め込みや変更履歴など)に原因がないかを確認します。
図形内に画像を塗りつぶしとして設定している
Wordの図形を描き、その中を写真で「塗りつぶし」として設定している場合、「図の圧縮」機能がうまく適用されないことがあります。
図形ではなく、通常の画像として直接文書に挿入し直してから圧縮することで、正しく軽量化されることがあります。
スマートアートやグラフ内の画像
SmartArt(スマートアート)のグラフィック内や、グラフの背景などに挿入された画像も、一括圧縮の対象から漏れてしまうケースがあります。
複雑な図解を多用している文書では、図解自体を一度画像としてコピーし、「図として貼り付け」をしてから元の図解を削除するという方法を取ることで、全体のデータ量を減らす工夫も有効です。
画像以外の要素でファイルを軽くするチェックポイント
画像だけでなく、他にもファイルサイズを増やしてしまう要因があります。
画像圧縮と併せて確認しておくと効果的です。
フォントの埋め込み設定を確認する
文書で使っている特殊なフォントを、他の人のパソコンでも同じように表示させるために「フォントの埋め込み」を行っていると、ファイルサイズが増えることがあります。
標準的なフォントしか使っていない場合は、埋め込みを解除して軽くすることができます。
「ファイル」タブの「オプション」から「保存」を選択し、「ファイルにフォントを埋め込む」のチェックを外して保存します。
不要な変更履歴やコメントを削除する
複数人で文書を編集する際に使う「変更履歴」の機能は、削除した文字や過去のレイアウトのデータを見えない状態で保持しているため、ファイルが重くなります。
編集が完了して最終版になったら、「校閲」タブから「変更箇所をすべて反映」を選んだり、不要なコメントをすべて削除したりすることで、内部のデータが整理されて軽くなります。
まとめ
Wordのファイルサイズを小さく保つための、画像の圧縮方法やさまざまな工夫についてお伝えしました。
「図の圧縮」機能を活用して解像度を調整したり、トリミングの隠れ領域を削除したりすることで、目的に合わせた適切なサイズに整えることができます。
また、自動圧縮の設定を見直すことや、貼り付ける前に画像をリサイズすること、PDF保存時の最適化など、ちょっとした手間の積み重ねがスムーズなファイル共有に繋がります。
メールへの添付やネットワークへの保存でファイルの重さが気になったときは、今回紹介した手順を試してみるとよいでしょう。